まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

ミウラ折りの優雅な尾羽「コトドリ」に挑戦!

お題「#おうち時間

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神谷哲史作品集2

コトドリ/Lyrebird

大きな尾羽と、サイドの飾り羽が目を引く作品です。


最近は35cmホイル紙×複雑系のコンビに、すっかりハマってしまいました。

今回の素材は、水色のカラーホイルです。

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勝田恭平さんの「ユニコーン」と同じ色を使っていますが、全面に色が出ると雰囲気が変わりますね。
(2020/04/13)

masanii-origami.hatenablog.com

 

7年前にこのテキストを買ってから、初めての挑戦です!


☘️今日のトピック☘️

❶お洒落なモノマネ上手

❷実用的な「ミウラ折り

❸やっぱり難しい!


♦︎♦︎♦︎


❶お洒落なモノマネ上手

コトドリはオーストラリアの国鳥で、同国の10セント硬貨にもなっています。

体長の半分以上を占める尾羽は「竪琴(たてごと)に例えられ、名前の由来になっています。

英名の「Lyre」も竪琴のことです。


コトドリの雄は、このエレガントな尾羽を使って求愛行動をします。

面白いのは、それと同時に「鳴きまね」をすること。

他の鳥だけでなく、カメラのシャッターやチェーンソーの音などの人工音まで再現できるそうです。


本当はもっと地味な色をしているのですが、尾羽の構造がよく映えるようにライトブルーを使いました。

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それにしても、サイドの「飾り羽」まで再現されているのは、さすがの神谷作品です。


❷実用的な「ミウラ折り

尾羽にみられる規則的なパターンは、三浦公亮さんという方が考案したミウラ折りという構造が採用されています。

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ひとつの方向に力をかけるだけで、一気に全体を開閉することができる、とても効率の良い折り方です。

科学好きな方なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

人工衛星太陽光パネルを畳むのに、ミウラ折りが使われたことがあるのは有名な話です。

また、ミウラ折りで畳まれた地図を見かけたこともあります。


私の友人の多くは、私が飲み屋の箸袋を片っ端から折りまくるのを知っていると思います。

箸袋のサイズは、ミウラ折りをやるにはちょうど良いんですよね。

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ちゃんと教わればすぐに実践できる折り方なので、ぜひ皆さんもやってみてください。

 

❸やっぱり難しい!

ホイル紙の扱い方に慣れてきたので、工程数100ちょいのコトドリならサクッと折れるかな…

と、思ったら。

全然サクッと折れませんでした。


神谷作品名物、沈め折り地獄。

びっしり仕込んだクモの巣のような折り筋は、すべて沈め折り(Open sink)のためのもの。

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沈め折り単品ならともかく、問題はその形です。

非常に狭い空間で、大きな変則パーツを6段階に沈めるのは、容易ではありませんでした。

「こうしなさい」と普通に書いてありますが…

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普通、こうなりません!


それから、ミウラ折りの尾羽。

ミウラ折りは昔から散々やっているから、シッポは簡単かな…

と、思ったら。

全然簡単じゃありませんでした。

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ヒダの数が7列と多く、根元(背中)が開きづらかったので、予想以上の大苦戦。

所々で塗装がハゲて白くなり、穴が空いてしまいました。

うん、油断は良くないですね。


同じ折り筋を酷使する複雑系においては、切っては切れないこの問題。

紙をいたわる技術は、まだまだ課題が多そうです。


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史作品集2「コトドリ」でございました。

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やっぱり一筋縄ではいきませんでしたが、大きな失敗なく完成できてよかったです。

2本の足でしっかり自立したのは、嬉しいポイント。

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鳥はやっぱり、こうでなくちゃ。


そういえば最近、折り方の解説やアドバイスができていませんね。

初挑戦の作品はいきなりウンチクを語れる代物ではないので、どうしても感想メインになってしまいます。


それでも、

「工程◯◯を乗り切るコツは?」

「撮影や加工は、どうやったの?」

などなど、もし質問があればお気軽に言ってくださいね。

分かる範囲で、惜しまずにお答えさせていただきます。

 

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折り紙1枚で貝殻も!神谷哲史作品集2の「ヤドカリ」にチャレンジ

お題「#おうち時間

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神谷哲史作品集2の「ヤドカリ」を折りました。

1枚の正方形から、オモテ側で本体、ウラ側で貝殻が折り出された作品。

左右で違う大きさのハサミや、顔の細部、貝殻のトゲまで、妥協なくデザインされています。

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使用したのは、トーヨーの創作専科折り紙。35cmホイル紙の「オレンジ」です。

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鎧のような体と、メタリックなホイルの質感が、良い感じに調和してくれました。


☘️今日のトピック☘️

❶2年越しのチャレンジ

❷多大なるホイル紙の恩恵

❸カラチェンして「サザエ」を折る


♦︎♦︎♦︎


❶2年越しのチャレンジ

この作品を最後に作ったのは、2018年のこと。ちょうど2年前です。
(2018/04/29)

masanii-origami.hatenablog.com

 

当時はまだ大きなサイズの紙を持っておらず、24cm教育おりがみを使っていました。

今になって考えると無謀ですが…

まぁよく、それなりの形にまで仕上げたものです。


あれから2年、私も少しはレベルアップできたのでしょうか。

「いつか薄い紙でリベンジします」と宣言していたので、約束を果たせて良かったです。

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当時の記事の中で、

「24cmの教育おりがみでも、スキル次第でちゃんと作れるのでしょうか」

とか言っていますが…


2年前の私に言いたい。

つべこべ言わず、デカイ紙を買いなさい。


❷多大なるホイル紙の恩恵

薄くて密着感のあるホイル紙は、複雑な作品を折るのに最適です。

工程79・102に出てくる「もみじの葉」のようなOpen sinkも、何事もなかったかのようにピッタリ閉じてくれます。

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また、枚数を重ねたままボキッと折ることができるのは、薄いホイル紙だからこそ。

工程130-135の、ハサミや触覚の位置を確定させるシーンは、普通の紙では物理的に折れません。

特に触覚は、左右で紙の枚数が違うので、厚いと左右対象にならないんですよね。

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ホイル紙を扱うコツは、爪でしごかないこと。
塗装がはげて裏側の紙部分だけになり、もろくなってしまいます。

プレスする際は、指の圧力で「ギュッ」と押すようにしましょう。

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ホイルは破けやすいと言われますが、引っ張る力には強いです。

慣れてくると、「繊細」「大胆」をうまく使い分けられるようになりますよ。


❸カラチェンして「サザエ」を折る

ヤドカリの白い貝殻は、工程159で紙をひっくり返すことで現れます。

大きなオレンジ色のパーツが白くなる瞬間は、こちらの気分も変わるほど劇的です。

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折る人しか見られない貴重な光景なのですが、せっかくなので連続写真を撮ってみました。

 

これが…

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こうなって…

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こう!!

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さて、ここから貝殻を作っていきます。

実はこれ、「サザエ」がそのままくっついているんです。

しかも、同じテキストの作品。

すぐ前に折り方が載っています。

サザエ単体も50工程の代物なのですが、これだけでも素晴らしい作品です。
(2018/04/12)

masanii-origami.hatenablog.com

 

問題は、本体とサザエの接続部分が複雑なんですよねぇ。

かなりの厚みになったヤドカリの腰を「えいっ!」と折り曲げる必要かあります。

サザエができたら、今度はサザエを潰さないように、ヤドカリの脚やハサミ、触覚や顔の細部を仕上げていきます。

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オーラスの全体整形も、なかなかテキスト通りにはいきませんでした。

ヤドカリの厚さと、貝殻の薄さのバランスは、簡単には調和してくれません。

何とかソレっぽくなるようにいじくり回し、彩雲紙「あじさい」をバックに撮影すれば…

めでたく、今回の作品の完成です!

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♦︎♦︎♦︎


神谷哲史作品集2より「ヤドカリ」でございました。

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完璧とはいきませんでしたが、2年越しのチャレンジにして、やっと納得のいく形になって嬉しいです。

工程数229の長丁場を、コツコツ頑張った甲斐がありました。

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このテキストは書店に売っていないので、興味のある方は「おりがみはうす」のオンラインショップを覗いてみてください。

書籍だけでなく、大きなサイズの折り紙も売っているので、要チェックです!

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折り紙のルールは世界共通!Xiaoxian HUANGさんの「日月星辰」にチャレンジ

お題「#おうち時間

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日月星辰/Sun, Moon & Stars

Xiaoxian HUANGさんという、中国の方が考案した作品です。

太陽と星、空が1枚の正方形からデザインされています。

日本語では「じつげつせいしん」と読む、太陽・月・星・星座を表す言葉です。

 

昨年夏に参加した「第25回折り紙探偵団コンベンション」の講習作品。

本人指導のもとで折りたかったのですが、残念ながら受けそびれてしまったんですよね。

幸い、会場で買った折り図集に、作品がそのまま掲載されていました。

一年近く経ってしまいましたが、折ることができて嬉しいです!

 

☘️今日のトピック☘️

❶折り紙の「共通言語」

❷まさにぃ、失敗する

❸心機一転の2個目


♦︎♦︎♦︎


❶折り紙の「共通言語」

コンベンションの折り図集は、「国内編」「海外編」の2部構成になっています。

海外から寄せられた22作品のひとつが、今回の「日月星辰」です。

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「海外編」の解説はすべて英語なのですが、折り方の記号は世界共通。

英語を読めなくても進めることができます。

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◯山折り・谷折りの線

◯回転や裏返しの記号

◯折る順番の説明(繰り返しなど)


皆さんの本棚にあるテキストにも、大抵こうしたルールが載っているはず。

これを知っていれば海外の作品も折れるようになるし、世界中の人が同じ折り図を読めるようになります。

音楽でいう「譜面」のような存在です。


初心者の方で「折り方が分からない」とお悩みの際は、もう一度ルールを見直してみましょう。

これらを覚えると、グッと理解が深まりますよ。


折り図そのものについては、過去にもコラムを書いています。

良かったら参考にどうぞ。
(2018/10/24)

masanii-origami.hatenablog.com

 

❷まさにぃ、失敗する

前章で「ルールを覚えると、理解が深まる」なんて言っておきながら…


やはり、難しいものは難しいんです!

工程数119と、(複雑系にしては)標準的なボリュームですが、立体構造がけっこう難解です。

あとは、やはり外国の方のニュアンスは、日本人のそれと少し異なるのでしょうか。

図のアングルや、矢印の使い方に少々クセがあり、何かと手こずりました。

やっぱり、言葉でちゃんと説明があった方が分かりやすいですね、うん。

 

そして、致命的な間違いが!

実はこれ、最初に作ったのは金色ホイルなんです。
金ピカの太陽をしたかったのに、なんと裏表を反対に作っていました。

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こんなに大胆なミス、久しぶりです。


❸心機一転の2個目

完全に失敗に終わった1回目。

こうなったら、コイツを徹底的にいじくり回して、分析してやろう。

その後の工程を大雑把に進めてみたり、分解してみたり。

一応最後の方まで進めてみた結果、色面は最後にフラットになる事がわかりました。


2枚目は、心機一転カラーチェンジ。

紺色のホイルを使うことに。

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やはり、2回目は1回目と違ってサクサクいけます。

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実験台のおかげで、難しかった「星」も比較的スムーズに乗り切ることができました。

(開き方はアレンジしています)

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金ピカの太陽は実現できませんでしたが…
大きな白い太陽と、4つの星。

紺色の夜空も、なかなか良いものですね。


♦︎♦︎♦︎


Xiaoxian HUANGさんの「日月星辰」でございました。

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意図せず発生した「おうち時間」ですが、山のようにある未読のテキスト・未挑戦の作品に手をつける良い機会になっています。


今回のテキスト「第25回折り紙探偵団コンベンション折り図集Vol.25」は、本屋に売ってないマニアックな本ですが、おりがみはうすの公式HPから買うことができます。

前回ご紹介した、えずのさんの「ゴディバ」、低地さんの「タコ」も、同書の作品です。
(2020/05/13)

masanii-origami.hatenablog.com

(2020/05/11)

masanii-origami.hatenablog.com

 

興味がありましたら、ぜひチェックしてみてくださいね。

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老舗チョコのロゴマーク「ゴディバ夫人」を折り紙で!

お題「#おうち時間

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チョコレートブランドゴディバロゴマークを折りました。

馬にまたがる裸婦、ゴディバ(ゴダイヴァ)夫人です。

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紙の裏面を活用する「インサイド・アウト」により、馬と人が一枚で折られた作品。

出典は「第25回折り紙探偵団コンベンション 折り図集Vol.25」、考案者はえずのさんです。

 

ゴディバのチョコは大好きですが、ロゴマークを折るという発想はありませんでした。

(そもそも、ロゴを観察したことすらありませんでした)

こういうユニークな作品、大好きです!


☘️今日のトピック☘️

ゴディバ夫人のはなし

❷悩んだ最後の仕上げ

❸まだある「繋がった系」


♦︎♦︎♦︎


ゴディバ夫人のはなし

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、まずはモチーフの説明から。


(以下、公式サイト意訳)

舞台は11世紀の英国。

コベントリーの領主・レオフリック伯爵は、修道院の建設などのため、領民に重税を課すようになりました。

貧しい領民のことを思い、それに抗議をしたのが、伯爵の妻であるゴディバ夫人(=レディ・ゴディバ)です。


度重なる議論に疲れた伯爵は、レディ・ゴディバにこう告げます。

「一糸まとわぬ姿で馬に乗り、町中を廻れたのなら、税を引き下げて増税を取りやめよう」


レディ・ゴディバは、翌朝にそれを決行します。

すると領民たちは、その行いに敬意を表し、裸の彼女の姿を見ないよう、みな窓を閉ざしたのです。

そして伯爵は約束を守り、ついに税は引き下げられたのでした。

www.godiva.co.jp

 

❷悩んだ最後の仕上げ

テキストでは、ゴディバ夫人の手足などが簡略化され、シンプルなつくりになっています。

今回は、ちょっと細部をアレンジ。

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足の先端を段折りして足先を作り、全体を細くしました。

(本来は靴をはいていなので、蛇足だったかもしれませんね…)

手は内側をめくって曲線にする事で、立体感を出しています。

 

馬は全体をふっくらさせていますが、手足はあえて作り込まず、オリジナルのままにしました。

馬がシンプルな方が、ゴディバ夫人に目線が行きやすくなります。

えずのさんは、そんな所も考慮してデザインされたのかもしれませんね。

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折り紙において、全てのパーツを精巧に再現する必要は、必ずしもありません。

特徴を最小限かつ的確にとらえたデザインは、故 吉澤章氏の作品などによく見られます。
(2018/02/13)

www.instagram.com

 

シンプルなのに一発でそれと分かり、暖かみさえ感じられるのが、折り紙の不思議なところですね。


❸まだある「繋がった系」

一枚の正方形から2つ以上のものを折り出した作品は、他にもあります。

私自身ではあまり折った経験がないのですが、せっかくなので何点かご紹介いたしましょう。


神谷哲史作品集「白鳥離水」

フラットな水面と白鳥が一体になっています。

絵柄によって色々な水面を作れるのも、魅力のひとつです。
(2018/07/07)

masanii-origami.hatenablog.com

 

神谷哲史作品集2「ヤドカリ」

ヤドカリの本体と貝殻が繋がっています。

同じテキストに載っている「サザエ」がそのままくっついているのが面白いところ。

本体はかなり複雑です。
(2018/04/29)

masanii-origami.hatenablog.com

 

結果的に、神谷さんの作品だけになってしまいましたね。

ちなみに、最近見かけた中で一番ヤバかった作品は、Bodoさんの「Eating mantis」です。


コオロギを捕食するカマキリ。

変態すぎて言葉が出ません。

 

他にもたくさんのマニアックな作品が発表されていますが、まだまだ一般には知られていないものも多いです。


地域の講習会などに作品を持っていくと、

「何だこれは!」

「一枚なの!?」
子供・大人を問わず、こんなリアクションをいただきます。

折り紙の新しい世界を知ってもらえるのは、いつになっても嬉しいものです。


♦︎♦︎♦︎


えずのさんの「ゴディバ」でございました。

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馬だけでも綺麗なのに、そこにブロンドの女性を合わせるなんて、なんて素敵な作品なんでしょう。

折り紙の楽しさが、また一つ広がりました。


ふと思い出して、過去に折った「馬系」の作品を並べてみました。

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◯左上:神谷哲史さん「天馬」
(2020/05/09)

masanii-origami.hatenablog.com


◯左下:勝田恭平さん「ユニコーン
(2020/04/11)

masanii-origami.hatenablog.com

(2020/04/13)

masanii-origami.hatenablog.com

 

◯右下:さくBさん「ユニコーン
(2019/04/16)

masanii-origami.hatenablog.com

 

同じ動物がモデルでも、色々なデザインがあるのが分かります。

どれも素晴らしい作品ばかりです。

ぜひ皆さんも、一度チャレンジしてみてください。

 

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うねる8本足、顔までリアルなタコの折り紙。

お題「#おうち時間

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低地さんの「タコ」を折りました。

うねる8本の足、ふっくらした頭、目や口までリアルに再現されています。

 

昨年の夏に発売された「第25回折り紙探偵団コンベンション 折り図集Vol.25」の掲載作品です。

こんなに生物感あふれるタコが、見開き2ページ・工程数38のボリュームで折れるなんて、ほんまかいな。


と思ったら…ほんまでした!

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☘️今日のトピック☘️

❶バラ用タント、タコになる

❷ボキボキ曲げる楽しさ

❸コンベンション中止の悲報


♦︎♦︎♦︎


❶バラ用タント、タコになる

今回の素材は、市販の赤系タント35cm。

バラを折るために買ったのですが、ちょうど良い色が残っていました。

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ゆでダコのような、暗い赤紫色。

見た瞬間に即決です。

 

タントの厚みで足の太さと「うねり」が強調され、力強い印象に。

ザラッとした質感も、ペーパークラフト感が出て良いですね。

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まさか自分がタコになるなんて、タント自身も新鮮な気持ちでしょう。
魚介類だけに、フレッシュな気持ちで取り組むことができました。


❷ボキボキ曲げる楽しさ

「足を適当に丸める」

この作品の、最後の工程です。

ピンと伸びた足にペンを巻きつけて、クルクルと丸めていきます。

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お手本どおり、足先はカールを強めに。

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あとは思いのまま、好きな形に仕上げれば完成です。

曲線を使う仕上げは個性が出やすく、同じ人が作っても二度と同じ作品はできません。

それもまた、折り紙を楽しむ要素のひとつだと思います。


散々いじくり回して、やっと納得のいく形に落ち着きました。

うしろ頭にあるカドが引っかかりとなり、ぶら下げられるのが密かなお気に入りです。

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❸コンベンション中止の悲報

このテキストは、昨年夏の「第25回折り紙探偵団コンベンション」の会場で買ったもの。

作家さんとの交流や、驚くべき作品との出会い、超濃密な9つの作品講習。

とても収穫の多い、大満足の2日間でした。
(2019/08/13)

masanii-origami.hatenablog.com

 

こんなに面白いイベント、毎年行くしかない!
と、2020年も参加を誓ったのですが…


「コロナの影響で中止」
先月末、公式HPより悲しいお知らせが。

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ちなみに、NOAの講習講習会も中止。

ああ、今年の楽しみがどんどん消え去っていく…


コンテストと折り図の募集は継続するようですが、折り紙界の一大イベントがなくなってしまうのは残念でなりません。

折り図集が発売されたら、それだけでも入手してたいところ。

あとはオンラインショップで素材でも買って、お金落とそうっと。

olshop.origamihouse.jp

 

♦︎♦︎♦︎

 

第25回折り紙探偵団コンベンション 折り図集Vol.25より、低地さんの「タコ」でございました。

テキストを買ってから一年弱。

初めて折りましたが、とても楽しかったです!

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家にいる時間が多いこのごろ、昨年の折り図集や、家に眠っているテキストを見返すには、良い機会かもしれませんね。

まだ手をつけていない作品は、数えきれない程あります。

気の向くままに「おうち時間」をエンジョイできたらいいですね。

 

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クラッポマーブルで折る、青白く光るペガサス 〜神谷哲史作品集「天馬」〜

お題「#おうち時間

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神谷哲史作品集より「天馬」を折りました。

この作品を最後に折ったのは2015年、その前は2013年。

当時は工程を丸暗記するほどリピートしていた、大好きな作品です。

 

ちなみに「天馬」が発表されたのは1996年。

今から24年も前なんですね。

毎日のように新作が生まれる昨今ですが、過去の作品の魅力が色あせることはありません。


☘️今日のトピック☘️

❶A3クラッポマーブルの出番

❷久しぶりのSpoon配信

❸作品当てゲームの勝者は…?


♦︎♦︎♦︎


❶A3クラッポマーブルの出番

今回使ったのは「クラッポマーブル」。

光を当てると青白い影ができる、不思議な素材です。

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サイズはA3を正方形にカットしたもので、29.7cm×29.7cm。

クラッポマーブルはA4しか市販されておらず、これは佐藤ローズの作者・佐藤直幹さんがメーカーに特注したものを何枚か分けていただきました。

 

勿体なくて躊躇するあまり、「ハイブリッドティーローズ」「ニューモダンローズ」を折って以来、手付かずだったんですよね。

(2019/12/27)

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(2019/12/31)

masanii-origami.hatenablog.com

 

ペガサスを作ろうと思ったのは、細かい蛇腹状の翼がキレイに映えると思ったからです。

角度によっては真っ白ですが、弱い光を後ろから当てると、いい感じに発色してくれました。


❷久しぶりのSpoon配信

まとまった時間ができたので、久しぶりボイスメディア「Spoon」で音声配信をしながら折ることにしました。

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誰でも「声の配信」をすることができ、ユーザーが好きな配信者の枠を聴きに行くという形のアプリです。

https://www.spooncast.net/jp/

 

ちょうど1年くらい前に初めて、たま〜に折り紙をカサコソ折る様子を配信しています。
(2019/05/18)

masanii-origami.hatenablog.com

 

カメラを向ける必要がなく、ネタバレの心配も一切ないので、安心して配信できるんですよね。

手元が見えないのは仕方ありませんが、作業音や解説だけでも、BGM代わりに楽しんでもらえたらと思っています。

 

弾き語りや朗読、料理など、色々なスタイルのDJがいらっしゃいますので、良かったら覗いてみてください。

私のアカウントは、InstagramTwitterと同じ「masanii_origami」です。


❸作品当てゲームの勝者は…?

パキパキ、シュッ、カサコソ…

紙をいじくる音と、私の声だけが響くSpoonの配信環境。

せっかくなので、完成途中の写真を少しずつアップして、リスナーさんに何を作っているか当ててもらうことにしました。

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キリン?うさぎ?ねずみ?

色々な憶測が飛び交う中、早い段階で2人の方が見事的中。

そのうちのお一人は、まだ原形もできてない段階で当ててしまいました。驚きです。

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トップ賞として、完成した作品はそのまま贈呈することに。おめでとうございます!

長持ちするようにノリ入れして、形を整えたら準備完了。

本日の昼に発送したので、数日後には届くことでしょう。

ペガサスちゃん、行ってらっしゃいませ\(^o^)/


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史作品集「天馬」でございました。

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ユニコーンやドラゴンなどの幻獣は、折り紙の題材としても非常に人気が高いです。

美しいフォルムの作品がたくさん発表されていて、難度もさまざま。

 

今回ご紹介した「天馬」は、沈め折り(Open&Close)などの難度が適度で、「次に繋がるテクニック」がふんだんに盛り込まれています。

複雑系のエントリーとして、イチオシしたい作品です。

ぜひ皆さんも、挑戦してみてください。

 

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彩雲紙「大理石」でアカウミガメを折る。

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神谷哲史折り紙作品集3のアカウミガメに初挑戦したのは、前回のこと。

(2020/05/05)

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甲羅はきれいにできたのですが、作り込みが甘く、納得のいかない箇所があったので、新しく作り直すことに。

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やはり簡単にはいきませんでしたが…

いい感じのクオリティに仕上がったと思います!


☘️今日のトピック☘️

❶彩雲紙「大理石」のデビュー

❷工程を先回りする

❸仕上げの工夫あれこれ


♦︎♦︎♦︎


❶彩雲紙「大理石」のデビュー

アカウミガメを作るにあたり、新しい素材を試してみました。

白や茶色、灰色が散りばめられた「彩雲紙 大理石」です。

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かなり厚みがあるので、ちゃんと折れるか心配でしたが、とても扱いやすかったです。

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硬いので破れやすいかな…と思いましたが、意外にコシがあり、伸びも良かったので、ガシガシ折っていけました。

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彩雲紙は、以前にもご紹介した「あじさい」がとても良かったですね。

花折りピラミッドを折ったのは、前々回のこと。
(2020/05/03)

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佐藤ローズとの相性も抜群でした。
(2020/05/01)

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(2020/04/29)

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「虹」を使って、剣弁高芯咲きのバラを折ったことも。
(2020/02/09)

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あと1種類、手元には「桃」というカラーが残っています。何を折ろうかな〜。

 

❷工程を先回りする

2回目のチャレンジとなる今回は、折る順番を少し変えることで、よりスムーズに進めることができました。

甲羅のフレームを作るために、ヒダの幅を微調整するシーンです。

 

テキストでは、「仕込み→展開→折る→戻す」というプロセスを、1段ずつ完成させていきます。

この方法だと、一度完成させたヒダを半分バラす必要があり、崩れないかヒヤヒヤしてしまうんですよね。

 

今回は前後の流れが分かっていたので、

①4段すべてに仕込みを入れる

②展開したまま、すべての段を折る

③まとめて一気に戻す

という方法を実践。


この工夫はアタリだったようで、前回より早く、より正確に折ることができました。

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全体のプロセスを見渡せるのが、2回目以降の良いところ。

次にどんな折り方が来るのか予測できると、それを見越した配慮ができます。

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❸仕上げの工夫あれこれ

完成させるだけで手一杯だった前回は、「アラをごまかすための仕上げ」でした。

今回は、「より美しく見せるための仕上げ」です。

前者は苦しい作業ですが、後者はとっても楽しい、ワクワクする瞬間です。

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まず、甲羅はより立体的にふくらませて、ウロコのような質感にしました。

やや浮いた方が影が付くので、模様がよく見えるんですよね。

実際はピッタリくっついているはずですが、良いんです。かっこいいから。

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紙の重なりが浮きやすい手足と、パックリ割れたお腹は、入念にノリ入れしています。

彩雲紙は表面がザラザラしているので、ノリが付きやすいです。

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ヒレは、ノリが乾くまえに曲げておいたので、自然な形をキープすることができました。

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首が前回と比べてスリムになり、頭全体の整形がしやすくなったのも大きいです。

シルエットを整えて、サイドはノリ入れ。

わずかではありますが、前回出せなかった口を表現できたのも嬉しいポイント。

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しっかし、テキストと比べると、まだ首が太いですね。

紙の戻りが強烈なので、濡らして繊維をほぐすしかないのでしょうか。

ウェットフォールディングはあまりやったことがないし、完成後に部分的に鳴らすと盛大に失敗しそうです。怖すぎる。

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一応カメの頭には見えるし、この状態でも良しとしましょう。


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史折り紙作品集3の「アカウミガメ」、2回目のチャレンジでございました。

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新しい作品は、いろいろな発想やテクニックと出会えるのが楽しいです。

(時に苦しい思いもしますが…)

 

「これは、以前やった折り方と同じだ」

「あの作品の、あの構造に似ている」

といった具合に、自分の知識がどんどん蓄積していくのも、大切な収穫です。

これからも、たくさんの作品に触れることで、スキルアップを重ねていきたいものです。

 

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