まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

神谷哲史「サザエ」と、巻き貝トリビア、そして左利きの話。

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おつまみにいかが。

神谷哲史「サザエ」

 

紙の色は、殻が表側・フタが裏側になります。実際のサザエはフタが白いのでちょうど良い。普通の教育折り紙でも充分イケるし、柄物でも綺麗に仕上がります。ちなみに写真は15cm×15cmです。

前回に解説した川崎敏和「巻き貝」で使われた「らせん折り」に、神谷流アレンジが加わってます。

貝のフタにあたる部分は、普通の山折りを風車状に繰り返した平坦な構造ですが、殻の部分は、山折りする代わりに、中割り折り・かぶせ折りを繰り返しています。かぶせ折りをした部分はサイドの紙を膨らますことができ、丸っこい貝の質感が上手く表現されています。

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神谷氏の作品ということで気合を入れて臨みましたが、構造的には上記の2種類のらせんを組むだけなので、見た目の割には簡単です。皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

さて、貝にまつわる話。
皆さんが普段目にする巻き貝は、「左巻き」「右巻き」どちらでしょう?

実は、世の中の巻き貝は、ほとんど右巻きです。渦巻きを上から見て、中心から出口へ、反時計回りの方向に流れています。

ねじれ方向の決定は、遺伝子が影響しています。右巻きの貝から左巻きの貝が生まれたり、またその逆もありません。

ところが、2004年に東京大学の研究グループが行なった実験によって、遺伝子が全てとされた巻き方を、意図的に逆にできることが証明されました。8細胞期(受精卵が3回分裂した段階)で細胞の位置関係変えたところ、巻き方が逆になったのです。

しかし、この実験で生まれた貝の子を普通に育ててみると、元のねじれ方向だったそう。つまり、方向を決定する遺伝子は、そのまま残っていたんですね。

では、なぜ右巻きが繁栄し、左巻きの貝がほとんどいないのか、よく分かっていません。何か自然界で有利なファクターがあるはずです(単に結果論なのかもしれませんが)。

自然界には、まだ解明されていないことがたくさんあります。小さなことでも、一つ一つ研究を重ねていけば、常識がひっくり返るほどの新発見に繋がるでしょう。

 

ところで。
私は左利きです。

これは別に遺伝でも何でもなく、単に母親の向かいでメシを食っていて、箸の持ち方を鏡向きに覚えてしまったのが原因です。

小さい頃から、左利きは「カッコいい」「頭良さそう」などと根拠なく褒められるも、習字はできないし、左手だと改札でSuica使いづらいし、誰も野球のグローブ貸してくれないし…実生活では全く役に立たない不利な存在だと思っていました。

しかし、最近になって新しい発見をしました。

ラーメンを食べながらケータイがいじれる。

なぜなら、ケータイを持つのは右手だからです。高校時代、隣の席の人が右手でケータイを持っていたから。

常識がひっくり返る新発見です。