まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

うねる8本足、顔までリアルなタコの折り紙。

お題「#おうち時間

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低地さんの「タコ」を折りました。

うねる8本の足、ふっくらした頭、目や口までリアルに再現されています。

 

昨年の夏に発売された「第25回折り紙探偵団コンベンション 折り図集Vol.25」の掲載作品です。

こんなに生物感あふれるタコが、見開き2ページ・工程数38のボリュームで折れるなんて、ほんまかいな。


と思ったら…ほんまでした!

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☘️今日のトピック☘️

❶バラ用タント、タコになる

❷ボキボキ曲げる楽しさ

❸コンベンション中止の悲報


♦︎♦︎♦︎


❶バラ用タント、タコになる

今回の素材は、市販の赤系タント35cm。

バラを折るために買ったのですが、ちょうど良い色が残っていました。

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ゆでダコのような、暗い赤紫色。

見た瞬間に即決です。

 

タントの厚みで足の太さと「うねり」が強調され、力強い印象に。

ザラッとした質感も、ペーパークラフト感が出て良いですね。

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まさか自分がタコになるなんて、タント自身も新鮮な気持ちでしょう。
魚介類だけに、フレッシュな気持ちで取り組むことができました。


❷ボキボキ曲げる楽しさ

「足を適当に丸める」

この作品の、最後の工程です。

ピンと伸びた足にペンを巻きつけて、クルクルと丸めていきます。

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お手本どおり、足先はカールを強めに。

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あとは思いのまま、好きな形に仕上げれば完成です。

曲線を使う仕上げは個性が出やすく、同じ人が作っても二度と同じ作品はできません。

それもまた、折り紙を楽しむ要素のひとつだと思います。


散々いじくり回して、やっと納得のいく形に落ち着きました。

うしろ頭にあるカドが引っかかりとなり、ぶら下げられるのが密かなお気に入りです。

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❸コンベンション中止の悲報

このテキストは、昨年夏の「第25回折り紙探偵団コンベンション」の会場で買ったもの。

作家さんとの交流や、驚くべき作品との出会い、超濃密な9つの作品講習。

とても収穫の多い、大満足の2日間でした。
(2019/08/13)

masanii-origami.hatenablog.com

 

こんなに面白いイベント、毎年行くしかない!
と、2020年も参加を誓ったのですが…


「コロナの影響で中止」
先月末、公式HPより悲しいお知らせが。

origami.jp


ちなみに、NOAの講習講習会も中止。

ああ、今年の楽しみがどんどん消え去っていく…


コンテストと折り図の募集は継続するようですが、折り紙界の一大イベントがなくなってしまうのは残念でなりません。

折り図集が発売されたら、それだけでも入手してたいところ。

あとはオンラインショップで素材でも買って、お金落とそうっと。

olshop.origamihouse.jp

 

♦︎♦︎♦︎

 

第25回折り紙探偵団コンベンション 折り図集Vol.25より、低地さんの「タコ」でございました。

テキストを買ってから一年弱。

初めて折りましたが、とても楽しかったです!

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家にいる時間が多いこのごろ、昨年の折り図集や、家に眠っているテキストを見返すには、良い機会かもしれませんね。

まだ手をつけていない作品は、数えきれない程あります。

気の向くままに「おうち時間」をエンジョイできたらいいですね。

 

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クラッポマーブルで折る、青白く光るペガサス 〜神谷哲史作品集「天馬」〜

お題「#おうち時間

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神谷哲史作品集より「天馬」を折りました。

この作品を最後に折ったのは2015年、その前は2013年。

当時は工程を丸暗記するほどリピートしていた、大好きな作品です。

 

ちなみに「天馬」が発表されたのは1996年。

今から24年も前なんですね。

毎日のように新作が生まれる昨今ですが、過去の作品の魅力が色あせることはありません。


☘️今日のトピック☘️

❶A3クラッポマーブルの出番

❷久しぶりのSpoon配信

❸作品当てゲームの勝者は…?


♦︎♦︎♦︎


❶A3クラッポマーブルの出番

今回使ったのは「クラッポマーブル」。

光を当てると青白い影ができる、不思議な素材です。

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サイズはA3を正方形にカットしたもので、29.7cm×29.7cm。

クラッポマーブルはA4しか市販されておらず、これは佐藤ローズの作者・佐藤直幹さんがメーカーに特注したものを何枚か分けていただきました。

 

勿体なくて躊躇するあまり、「ハイブリッドティーローズ」「ニューモダンローズ」を折って以来、手付かずだったんですよね。

(2019/12/27)

masanii-origami.hatenablog.com

(2019/12/31)

masanii-origami.hatenablog.com

 

ペガサスを作ろうと思ったのは、細かい蛇腹状の翼がキレイに映えると思ったからです。

角度によっては真っ白ですが、弱い光を後ろから当てると、いい感じに発色してくれました。


❷久しぶりのSpoon配信

まとまった時間ができたので、久しぶりボイスメディア「Spoon」で音声配信をしながら折ることにしました。

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誰でも「声の配信」をすることができ、ユーザーが好きな配信者の枠を聴きに行くという形のアプリです。

https://www.spooncast.net/jp/

 

ちょうど1年くらい前に初めて、たま〜に折り紙をカサコソ折る様子を配信しています。
(2019/05/18)

masanii-origami.hatenablog.com

 

カメラを向ける必要がなく、ネタバレの心配も一切ないので、安心して配信できるんですよね。

手元が見えないのは仕方ありませんが、作業音や解説だけでも、BGM代わりに楽しんでもらえたらと思っています。

 

弾き語りや朗読、料理など、色々なスタイルのDJがいらっしゃいますので、良かったら覗いてみてください。

私のアカウントは、InstagramTwitterと同じ「masanii_origami」です。


❸作品当てゲームの勝者は…?

パキパキ、シュッ、カサコソ…

紙をいじくる音と、私の声だけが響くSpoonの配信環境。

せっかくなので、完成途中の写真を少しずつアップして、リスナーさんに何を作っているか当ててもらうことにしました。

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キリン?うさぎ?ねずみ?

色々な憶測が飛び交う中、早い段階で2人の方が見事的中。

そのうちのお一人は、まだ原形もできてない段階で当ててしまいました。驚きです。

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トップ賞として、完成した作品はそのまま贈呈することに。おめでとうございます!

長持ちするようにノリ入れして、形を整えたら準備完了。

本日の昼に発送したので、数日後には届くことでしょう。

ペガサスちゃん、行ってらっしゃいませ\(^o^)/


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史作品集「天馬」でございました。

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ユニコーンやドラゴンなどの幻獣は、折り紙の題材としても非常に人気が高いです。

美しいフォルムの作品がたくさん発表されていて、難度もさまざま。

 

今回ご紹介した「天馬」は、沈め折り(Open&Close)などの難度が適度で、「次に繋がるテクニック」がふんだんに盛り込まれています。

複雑系のエントリーとして、イチオシしたい作品です。

ぜひ皆さんも、挑戦してみてください。

 

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彩雲紙「大理石」でアカウミガメを折る。

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神谷哲史折り紙作品集3のアカウミガメに初挑戦したのは、前回のこと。

(2020/05/05)

masanii-origami.hatenablog.com

 

甲羅はきれいにできたのですが、作り込みが甘く、納得のいかない箇所があったので、新しく作り直すことに。

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やはり簡単にはいきませんでしたが…

いい感じのクオリティに仕上がったと思います!


☘️今日のトピック☘️

❶彩雲紙「大理石」のデビュー

❷工程を先回りする

❸仕上げの工夫あれこれ


♦︎♦︎♦︎


❶彩雲紙「大理石」のデビュー

アカウミガメを作るにあたり、新しい素材を試してみました。

白や茶色、灰色が散りばめられた「彩雲紙 大理石」です。

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かなり厚みがあるので、ちゃんと折れるか心配でしたが、とても扱いやすかったです。

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硬いので破れやすいかな…と思いましたが、意外にコシがあり、伸びも良かったので、ガシガシ折っていけました。

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彩雲紙は、以前にもご紹介した「あじさい」がとても良かったですね。

花折りピラミッドを折ったのは、前々回のこと。
(2020/05/03)

masanii-origami.hatenablog.com

 

佐藤ローズとの相性も抜群でした。
(2020/05/01)

masanii-origami.hatenablog.com

(2020/04/29)

masanii-origami.hatenablog.com

 

「虹」を使って、剣弁高芯咲きのバラを折ったことも。
(2020/02/09)

masanii-origami.hatenablog.com

 

あと1種類、手元には「桃」というカラーが残っています。何を折ろうかな〜。

 

❷工程を先回りする

2回目のチャレンジとなる今回は、折る順番を少し変えることで、よりスムーズに進めることができました。

甲羅のフレームを作るために、ヒダの幅を微調整するシーンです。

 

テキストでは、「仕込み→展開→折る→戻す」というプロセスを、1段ずつ完成させていきます。

この方法だと、一度完成させたヒダを半分バラす必要があり、崩れないかヒヤヒヤしてしまうんですよね。

 

今回は前後の流れが分かっていたので、

①4段すべてに仕込みを入れる

②展開したまま、すべての段を折る

③まとめて一気に戻す

という方法を実践。


この工夫はアタリだったようで、前回より早く、より正確に折ることができました。

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全体のプロセスを見渡せるのが、2回目以降の良いところ。

次にどんな折り方が来るのか予測できると、それを見越した配慮ができます。

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❸仕上げの工夫あれこれ

完成させるだけで手一杯だった前回は、「アラをごまかすための仕上げ」でした。

今回は、「より美しく見せるための仕上げ」です。

前者は苦しい作業ですが、後者はとっても楽しい、ワクワクする瞬間です。

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まず、甲羅はより立体的にふくらませて、ウロコのような質感にしました。

やや浮いた方が影が付くので、模様がよく見えるんですよね。

実際はピッタリくっついているはずですが、良いんです。かっこいいから。

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紙の重なりが浮きやすい手足と、パックリ割れたお腹は、入念にノリ入れしています。

彩雲紙は表面がザラザラしているので、ノリが付きやすいです。

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ヒレは、ノリが乾くまえに曲げておいたので、自然な形をキープすることができました。

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首が前回と比べてスリムになり、頭全体の整形がしやすくなったのも大きいです。

シルエットを整えて、サイドはノリ入れ。

わずかではありますが、前回出せなかった口を表現できたのも嬉しいポイント。

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しっかし、テキストと比べると、まだ首が太いですね。

紙の戻りが強烈なので、濡らして繊維をほぐすしかないのでしょうか。

ウェットフォールディングはあまりやったことがないし、完成後に部分的に鳴らすと盛大に失敗しそうです。怖すぎる。

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一応カメの頭には見えるし、この状態でも良しとしましょう。


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史折り紙作品集3の「アカウミガメ」、2回目のチャレンジでございました。

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新しい作品は、いろいろな発想やテクニックと出会えるのが楽しいです。

(時に苦しい思いもしますが…)

 

「これは、以前やった折り方と同じだ」

「あの作品の、あの構造に似ている」

といった具合に、自分の知識がどんどん蓄積していくのも、大切な収穫です。

これからも、たくさんの作品に触れることで、スキルアップを重ねていきたいものです。

 

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甲羅までリアルに再現! 神谷哲史折り紙作品集「アカウミガメ」に初挑戦

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今回ご紹介するのは、神谷哲史折り紙作品集3よりアカウミガメ

甲羅の模様だけでなく、甲羅のフレームまで精巧にデザインされた作品です。

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テキストのお手本は赤茶色なのですが…

ウミガメ(カメ全般)のイメージって、何だか緑色なんですよね。

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発売当初から「難しい」と評判だったのすが…やはり難しかったです!


☘️今日のトピック☘️

❶セリア53cmが活躍

❷えげつない甲羅の折り込み

❸川畑氏の「亀」もヤバい


♦︎♦︎♦︎


❶セリア53cmが活躍

35cmくらいの紙で作ろうかと思っていたのですが、やはり最初は大きい方が安心です。

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普通に手に入る最大のサイズ、セリアの53cmを採用しました。

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最初はバサバサして折りづらいのですが、甲羅などの複雑なパーツは細部がよく見えるので、初めての作品にはもってこいです。

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完成サイズは、およそ20cm。

手と比較すると分かりますが、結構でかいです。

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しかし、えげつない甲羅の構造(後述)を考えると、これくらい大きくないと破綻していたかもしれません。

どでかい紙を使って正解でした。


❷えげつない甲羅の折り込み

亀の甲羅をリアルに再現するために、176工程のうち47工程は、すべて仕込みに費やします。

それだけでも辛い作業だったのですが、組み立てはさらに大変でした。

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意外だったのは、中心にある5つの六角形よりも、甲羅のフレームの方が難しかったこと。

甲羅部分とフレームで、ヒダの仕切り幅が微妙にズレているのが分かりますでしょうか。

このズレを作るのが、予想以上に複雑だったんですよね。

本物の亀の甲羅も、確かにそうなっていますが…

それを再現するために、ここまでやるんかい!

神谷氏のこだわりは、凄まじいですね…


❸川畑氏の「亀」もヤバい

亀の甲羅を折り紙で折るなんて、変態なんじゃないか…


と、思ったら。

あるんです、他にも。


川畑文昭さんの「亀」です。
(2019/06/23)

masanii-origami.hatenablog.com

(2019/06/17)

masanii-origami.hatenablog.com

(2019/06/15)

masanii-origami.hatenablog.com

 

こちらは、手足の指までついたリクガメ。

背中には正六角形が7つ敷き詰められています。

60°の折り筋をびっしり仕込むのがツラい。

仕込みの段階でびっしり並ぶ正三角形が、その変態っぷりを物語っています。


「甲羅の模様を折り出したカメの作品は、今でこそ珍しくありませんが…」

アカウミガメの説明書きに、こうサラリと書いてあるのですが、よくよく考えるとヤバい世界ですね。


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史折り紙作品集3より「アカウミガメ」でございました。

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細部はいびつですが、大きな失敗なく形にできたので、まぁ良しましょう。

もう少し小さいサイズで、しっかり作り直したいところ。

どんな素材を使うは、考え中です。お楽しみに!

 

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「彩雲紙×あじさい折り」は相性抜群。2種類の花折りピラミッドをお披露目!

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最近はすっかり温かくなり、爽やかな陽気になってきました。

せっかくの連休なのに出かけられないのが残念ですが、ここはグッとこらえて乗り切りましょう!

私も必然的に家で過ごすことが多くなり、折り紙をする時間が増えています。

この日は、久しぶりに「あじさい折り」をやってみました。

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使ったのは彩雲紙。

縦横ナナメ32等分、ミニサイズの「花折りピラミッド」です!


☘️今日のトピック☘️

❶余りものには福がある

❷丸型or角型、お好みは?

❸光と影のアラベスク

 

♦︎♦︎♦︎

 

❶余りものには福がある

四ツ切サイズ(54.3cm×39cm)の彩雲紙からバラを折ったのは、前回・前々回のこと。
(2020/05/01)

masanii-origami.hatenablog.com

(2020/04/29)

masanii-origami.hatenablog.com

 

このときに余った長方形が、今回の材料です。

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せっかく「あじさい」と名付けられた絵柄なので、あじさい折りをやりたいと思っていたんですよね。

彩雲紙は、すでに生産終了している貴重な素材。

むげに捨てるなんてバチが当たります。

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三角に折ってフチを切り落とすと、およそ12cm×12cmの正方形ができます。

この幅で作れるのは、最大2枚です。

ちなみにバラは2個作ったので、長方形はもう一つあります。

用途は未定なので、長方形のまま保管中。
リクエストがあれば、おっしゃってくださいね。


❷丸型or角型、お好みは?

花折りピラミッドは、終盤の折り方が2通りあります。

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スタンダードなのは、カドを端まで折り込んでいき、四角いシルエットに仕上げる「角型」。
紙の端まで、ムダなく作り込むことができます。

もう一つは、工程14の状態からカドをひっくり返し、一輪の花のようなフレームを作る「丸型」。

ブローチなどに加工に向いている形です。

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少しの細工で表情がガラリと変わるのも、あじさい折りの面白いところ。

端正な角型と、優しい丸型。どちらも甲乙つけがたいですね。

さて、皆さんのお好みは?


❸光と影のアラベスク

あじさい折りの魅力は、光にかざすと際立ちます。

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縦・横・斜め…すべて規則的に仕込まれたラインと、徹底的にパターン化された構造。

これらが織りなす美しい模様に、毎回ハッとさせられます。

組み立て前の段階でも、十分きれいですね。

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この模様は、紙の重なり方の違いから生じるもの。

通常の複雑系作品は、折れば折るほど厚くなり、透かすと真っ黒になってしまいますが、あじさい折りはどこまでも厚みが均一です。

「明」と「暗」を行ったり来たりしながら、独特の美しい模様を作っているんですね。

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もちろん他のあじさい折り作品や、シンプルな基本形でも綺麗なパターンは現れますので、ぜひ皆さんもやってみてください。

「ハッとする瞬間」を、たくさんの方に味わっていただきたいものです。

(2019/05/28)

masanii-origami.hatenablog.com

(2018/09/21)

masanii-origami.hatenablog.com

 

♦︎♦︎♦︎

 

あじさい折りの中でも大好きな作品のひとつ「花折りピラミッド」。

いつもの15cmより小さいので心配でしたが、きれいに仕上がって良かったです。

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おうちゴールデンウィークはまだまだ続きます。

次は何を作ろうか。

今後のコラムにも、ご期待くださいませ。

 

彩雲紙×バラ折り紙・第三弾! 〜ロゼット咲きのオールドローズ〜

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先日ご紹介した、青基調のカラフルな厚紙「彩雲紙 あじさい」

佐藤ローズの代表作・ハイブリッドティーローズが、ガラス細工のように繊細な仕上がりになりました。

(2020/04/29)

masanii-origami.hatenablog.com

 

これを機に、1ヶ月ほどご無沙汰だった佐藤ローズ熱が再燃。

同じ紙で、今度は「ロゼット咲きのオールドローズを折ってみました。

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☘️今日のトピック☘️

❶中心に星形をつくる

❷スムーズに巻き込むコツ

❸虹&あじさい、お好みは?


♦︎♦︎♦︎


❶中心に星形をつくる

中心をキレイに仕上げるため、ある細工をしています。

工程37の折り筋を、水平でなくナナメにつけているんです。

元ネタは、佐藤直幹さんがInstagramで2019/11/18に教えてくださった方法。

www.instagram.com

 

水平線のちょうど半分、角の二等分線で折っています。

工程38の時点で、中心が正五角形ではなく星形になっていればOKです。

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過去のコラムでも写真をたくさん上げているで、良かったら参考にしてみてください。
(2019/11/23)

masanii-origami.hatenablog.com

 

❷スムーズに巻き込むコツ

花びらを収束させる工程41-46は、佐藤ローズ全体の中でも特に難しいシーンです。

何から手をつけていいか分からず、手が止まっしまう方もいるのではないでしょうか(私が最初そうでした)。

だんだん慣れてきたので、私なりに手順を分解し、着目ポイントをまとめてみました。

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①遠心中割り折りをしっかり付け直す

②中心の星形を閉じる

③中割り折りをキープしたまま、外側から圧力をかける

④星形が時計回りに回転する(ここ重要)

この時点で、星形と中割り折り部分は、ほぼ同じ高さです。

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他のバラは中心にいくほど高くなりますが、この作品は中心がスリバチ状になっており、少し低くなるので注意が必要です。

中心がまとまったら、他のバラと同様に外側をたたむだけ。

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少なくとも「星が回転する」という現象を把握しておくだけで、スルリと自然に巻き込むことができるはずです。

収束後のシーンも記録しておいたので、全体のプロセスを把握するのにお役立てください。


❸虹&あじさい、お好みは?

前回のハイブリッドティーローズも含めて、彩雲紙を使うのは3回目となります。

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初めてお披露目したのは、「剣弁高芯咲きのバラ」を作った2月のこと。
(2020/02/09)

masanii-origami.hatenablog.com


この時に使ったのは「虹」。

ピンク基調に青・緑などが入った、賑やかなカラーリングです。

せっかくなので、今まで使った彩雲紙のバラを並べてみました。

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皆さんのお好みのバラは、ありますでしょうか?

他にも「桃」「大理石」という2つの彩雲紙が手元にあるので、何を折ろうか思案中です。

お披露目は、今後のお楽しみということで!


♦︎♦︎♦︎


彩雲紙×ロゼット咲きのオールドローズ、いかがだったでしょうか?

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佐藤ローズの中でも特に難しい作品ですが、しっかりとした紙質のおかげで、破れることなく完成させることができました。

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最近よく作っていた複雑系とは違い、花びらの曲線など、アレンジの余地が多い佐藤ローズ。

同じバラを作っても、折り手によって雰囲気が異なるのも面白いです。

そういえば、そろそろバラの季節ですね。

外に出られない代わりに、折り紙のバラを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

彩雲紙で折る、青いハイブリッドティーローズ 〜おうち時間にバラ折り紙を〜

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久しぶりにハイブリッドティーローズを折りました。

佐藤ローズの制作は、先月に「Origami」を折って以来。

感覚を忘れていないか不安でしたが、何とかなりました。

(2020/03/26)

masanii-origami.hatenablog.com

 

使ったのは「彩雲紙 あじさい」

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淡い水色を基調に、緑や紫などが混ざったカラフルな厚紙です。

同じ紙をバックにしたら、とても良い雰囲気の写真が撮れました。

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エアリスの故郷アイシクルロッジ付近にある「ガイアの絶壁」を思い浮かべるのは、私だけでしょうか。

(分かる方はどれだけいるのでしょうか…)

 

さて、FF7トークはこれくらいにして。

今日は、佐藤ローズをより美しく作るためのコツをご紹介。

がっつりテクニカルな話題をお送りいたします。


☘️今日のトピック☘️

❶五角形カットの新発想!

❷仕込み終盤のひと工夫

❸中心付近のカーブ


♦︎♦︎♦︎


❶五角形カットの新発想!

佐藤ローズに欠かせない五角形カット。

今回は、佐藤さんがInstagramで紹介されている方法を実践してみました。

「辺の長さの4%を空ける」という、中一隆さんが計算された折り方です。

※テキストにも載っています。

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具体的な手順は、佐藤さんの2020/04/23の投稿をご確認ください。

www.instagram.com

www.instagram.com

 

今回の用紙サイズは、一辺が27.15cm。

(四ツ切の半分=八ツ切から正方形を切り出した大きさ)

その4%=1.086cmを残して折り、目印をつけます。

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あとは、テキスト通りにたたむだけ。

最後のカットは、2mmほど余分に切ると誤差を抑えられます。

これは佐藤さんに直接教わりました。
(2019/09/04)

masanii-origami.hatenablog.com

 

さて、結果はというと。

切り出された形は、見るからにキッチリとした正五角形になりました!

星形もきれいですね。

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寸法を測るのを忘れてしまいましたが、これで安心してバラ作りに集中することができます。

 

なお、私も以前のコラムで、分度器を使った寸法の合わせ方をご紹介しています。

こちらは「斜めラインを36°の角度で折る」というものです。

こちらも理論上は正確に折れるので、良かったら試してみてください。
(2019/12/27)

masanii-origami.hatenablog.com

 

❷仕込み終盤のひと工夫

次は、工程17-18のアドバイスです。

テキストでは、5枚あるヒダのうち「2枚→3枚」という順番で折り筋をつけています。

もちろんその方法でも良いのですが、ここは紙の厚みは少ない方が誤差が出にくいので、常に2枚ずつ折るのをオススメします。

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具体的には、

①2枚まとめて折る

②1枚ずつ折り替える

③再び2枚まとめて折る

というもの。

③の段階で下の紙に折り筋がついているので、目印として活用できます。

テキストより3工程多い5工程を必要としますが、かなり折りやすくなるはず。

あくまでも個人的な意見ですが、私はこれで失敗した試しがありません。


❸中心付近のカーブ

最後に工程25-29、収束する際のコツをお伝えいたします。

2週間ほど前、とある方から相談を受けた内容です。

中心から伸びる線と、遠心中割り折りの根本から伸びる線。

これら2つの線をうまく繋げないと、キレイな巻き込みができません。

ここは直線でなく、ゆるやかな曲線を描きましょう。

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親指の腹を使って少しずつプレスしていくと、ナチュラルな線ができます。

Before-Afterの写真を並べてみたので、参考にしてみてください。

 

忘れてはいけないのが、5箇所のバランス。

反対側からも同時に押してみて、時々うずまき状の形を作るとバランスが整います。

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一度収束すると、なかなか修正がきかない佐藤ローズ。

コツを掴むまで大変かもしれませんが、ここが頑張りどころです!

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♦︎♦︎♦︎

 

というわけで、今日はがっつり技術系の内容でございました!

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ちなみに2番目の花びらは、一番外側の花びら目立たせるために、折り方をちょっと変えています。

過去のコラムで解説しているので、余裕がある方はチャレンジしてみてくださいね。
(2019/10/02)

masanii-origami.hatenablog.com

 

連休中に時間を持て余している、そこのあなた。

これを機に、世界一ポピュラーなバラ折り紙「佐藤ローズ」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

経験者の方は、さらに突き詰めてみるのもオススメです。

#おうち時間 」、エンジョイしていきましょう。

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