まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

佐藤ローズの必需品「バラの葉」に挑戦。 〜まさにぃ、手芸沼に片足を突っ込む〜

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ハイブリッドティーローズ、ニューモダンローズ、バラのガク…


そして今日、ついに「バラの葉」に手を出してしまいました。

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佐藤ローズの沼は恐ろしいもので、全く抜け出せる気がしません。

こうなったら開き直って、イケるところまで行ってしまおうと思います。


それでは、今日のコラムをどうぞ。
❶サイズも形も便利な逸品
❷2つの工夫したこと
❸こうして、まさにぃは深淵


♦︎♦︎♦︎


❶サイズも形も便利な逸品
使用したのは、タントの15cm。

サイズも色も、ガクと同じです。

三角に折ってスパッと切る、直角二等辺三角形からスタートします。

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ガクの五角形と違って余分な紙を捨てなくていいし、何より一枚で2つ作れるのも嬉しいポイント。


タントの緑単色は、同じ色が4枚ずつ入っているので、「ガク1つ・葉2枚」の組み合わせが2セット作れます。

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ガクばかり無計画に作っていたので、これからはよく考えて使おうっと。


❷2つの工夫したこと
初挑戦とはいえ、やはりしっかり考えながら作った方が良いと思ったので、工夫したポイントをまとめてみました。


まず、工程29〜32の、曲線をつけるシーン。

知っている方も多いかと思いますが、こういうカーブ、は紙全体を反らせるとナチュラルに折れます。
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葉の先があんまりカールし過ぎると変なので、先端になるにつれて、限りなく直線に近づけました。


それから、工程33の仕上げ。
前述のように全体をカーブさせると、どうしても中心のヒダが歪んでしまいます。
ここはいっそ、中間をボキッと折ってしまいました。
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表から見て中心が開かないように、裏側のヒダを左右どちらかに倒しても良いかもしれませんね。

もちろん、長持ちさせるためにノリ付けしても良いと思います。

皆さんの中で「こんな工夫をしてるよ!」というアイディアがあれば、ぜひぜひ教えてください。


❸こうして、まさにぃは深淵へ
ガクはそのまま花にスポッとはまるのですが、葉を綺麗に飾るにはワイヤーが必要です。


ということで、買ってしまいました。
地巻ワイヤーとフローラテープをセットで。

 

しかし。
ポチった後に気づいたのですが…


量、多くね!?

ワイヤーは、緑が18番・20葉・22番、白色が24番・26番。各50本。
ってことは、全部で250本。
1本40cmだから、全部で100メートル。

フローラテープは、浅緑1・深緑3・白色1。各23m。
ってことは、全部で115メートル。


ジャングルでも作るつもりか俺…


一体、佐藤ローズ何個分でしょうか。
すべて消費するのは、一体いつになるのでしょうか。
届くのが楽しみな反面、だんだん心配になってきました。


まてよ。
これが、俗に言う「沼」なのか。


「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ」
ニーチェはこう言いました。


佐藤ローズという名の「深淵」に、覗かれている気がしてなりません。

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♦︎♦︎♦︎


「コンベンション折り図集」はおろか、あんなに楽しみにしていた「神谷哲史折り紙作品集3」すらも未開封のまま放置され、リビングに転がる無数のバラ。


いつの間にか、私のタイムラインもバラだらけになってきました。


でもまぁ、好きな物を好きなだけ作れるのは、とっても幸せなことです。
これからも、気の向くままにやっていこうと思います^^

 

ニューモダンローズ研究③ 〜「求心中割り折り」の小細工〜

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ニューモダンローズ研究・第3弾!


思いつきで初めた、佐藤ローズの仕込み実験。

内容がどんどんマニアックになっていくのですが、第1弾から飽きずに読んでくれている人はいるのでしょうか…


特に、普段折り紙をやらない私のリア友たち。
転勤先でも、ちゃんとバラ折っ…いや、ちゃんと仕事してますからね!


ということで。
今日の検証は、佐藤ローズの工程で特に難しいとされる「求心中割り折り」
コイツにちょいと、細工をしてみました。


❶両脇から「パカッ」
❷全3回の検証まとめ
❸結論:バランスが良ければヨシ


♦︎♦︎♦︎


❶両脇から「パカッ」
工程8のあとに、求心中割り折りの内側を開きます。
そして、両側へ押し付けるように「谷折り線」を仕込みました。

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ピッタリ閉じるはずのスキマを、ガバッと開いた状態でクセをつけるわけです。


このままだと収束させづらいので、一旦閉じてから全体をまとめます。

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完全に筒状になったら、先程の「谷折り線」を使ってスキマを開く。

すると、ご覧のとおり!

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内側に、ツンと鋭角に尖った星形が現れました。


❷全3回の検証まとめ
いい感じに結果が分かれてきたので、3回分の仕上がりを一覧にしました。
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まずは1回目。
(2019/08/27)

masanii-origami.hatenablog.com

工程4の後に、テキストにはない折り筋「カドの二等分線」をつけています。
やや鋭角の、シャープな星形になりました。


続いて2回目。
(2019/08/29)

masanii-origami.hatenablog.com

工程1の折り筋をつけず、タテ方向の線を排除した状態で収束させました。
前回とは対照的に、かなり丸く、柔らかな花びらに。


そして今回、3回目。
求心中割り折りを、両方向に開きました。
両側をまとめて内側に折った1回目よりも、キリッと尖った星形に。

単体で見ると分かりづらいですが、同じアングルで撮った写真を3つ並べると、結構違いますね。

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特に、収束させた直後の写真を見ると、明らかに星の形が異なっています。

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皆さんは、どの形がお好みでしょうか?
良かったら、作る際の参考にしてみてください。


❸結論:バランスが良ければヨシ
3パターンの花びらを作ってみたわけですが、いずれも全体を整えれば綺麗に仕上がることが分かりました。


なお、中心のほかに形に影響が出るのが、ひとつ外側の星と、一番大きな3番目(紙のカド)です。

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1回目は、尖りすきず、丸すぎず。
2回目は、ふわっと丸く。
3回目は、ギュッと強めに尖らせました。

さらに今回は、花の開きを少し控えめにして、開く方向を「横」ではなく「上」を意識しています。

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結局は、5箇所の花びらがすべて均等ならオッケーな気がしてきました。
どれも、そんなに変ではない…ですよね?


♦︎♦︎♦︎


いかがだったでしょうか?
ニューモダンローズの仕込み検証、全3回にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。


こうして記録を取って、さらに言語化することで、私自身もかなり勉強になっています。

「大変なのでは?」と思うかもしれませんが、作品が増えるわけではないので、手間も時間もそんなにかかりません。

カメラロールが折り紙だらけになりますが…もともと折り紙だらけなので気にしない\(^o^)/

また、折る途中や裏側の写真はあまり世に出ていないので、予想以上に皆さんに喜んでいただけました。

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プロでも作家でもない、一般ピーポーの私が折った作品が世の中の役に立つのは、この上なく光栄なことです。
これからも、時々こうした投稿を続けていこうと思います。

 

ニューモダンローズ研究② 〜工程1の折り筋を抜いてみた〜

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佐藤ローズの中でも難度が高い「ニューモダンローズ」。
中心を美しく仕上げるために、先日から色々な折り方を試しているところです。
(前回:2019/08/27)

masanii-origami.hatenablog.com

今日の検証は、「折り筋の省略」。
前回の「折り筋の追加」の逆パターンを試してみました。

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引き続き、テキスト「一枚の紙から作るバラの折り紙」と見比べながらお読みくださいませ。


❶正五角形…ではなかった!?
❷「尖り」を排除してみた
❸外側とのバランスが課題


♦︎♦︎♦︎


❶正五角形…ではなかった!?
ちょっと気になったので、紙をカットした直後に定規を当ててみました。

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辺の中点からカドまでの距離を測ってみると…


最小7.5cm、最大7.7cm。

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ズレとるやないかーい!


テキストに載っている五角形カットは、紙を重ねたまま切るので、紙の厚みのぶんだけ誤差が出るんですよね。

しかし、正方形をギリギリまで大きく使える、とても効率のいい切り方です。
しかも、圧倒的に早い。


これくらいの誤差なら、作りながらカバーできるので、大目に見ることにします。


❷「尖り」を排除してみた
前回は工程4の後に、テキストにない折り筋を入れることで、内側の尖りを強調させました。

今回は逆に、工程1の折り筋を省いて、「尖り」をなくしてみました。

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少々まとめづらいのですが、花びらを収束させた直後の形は、きれいな丸型になります。

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前回のハッキリとした星形と比べると、かなり柔らかい印象に。

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ゆるやかな曲線をキープするのに気を使いますが、何とか均等にまとめることができました。


❸外側とのバランスが課題
ちょうど紙のカド、外側から3番目の花びらにご注目ください。

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内側を徹底的に丸くしたので、こちらも丸くしようと思ったのですが、どうしても不自然な形になってしまいます。


やはり、ここは紙をつまんで尖らせるのがベストなようです。

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(とはいえ、今回は少しゆるめに仕上げました)


前回の尖らせ方とうまく組み合わせて、バランスのいい形を模索したいと思います。


♦︎♦︎♦︎


というわけで、今日の検証は「丸型」でございました。

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実は、次のタマも仕込み中。
「求心中割り折り」の形に、ちょっと細工をしてみようと思います。


失敗したら…それはそれで記事にしましょう。
でも、頑張ってチャレンジしますよ!
今後もお付き合いいただければ幸いです\(^o^)/

 

まさにぃの佐藤ローズ研究! 〜ニューモダンローズの中心を攻める〜

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先日から、他の作品そっちのけで量産している「ニューモダンローズ」


本来は、きれいな星形が幾重にも重なるハズなのですが…
中心の成功率がイマイチなので、色々と実験してみることにしました。


今回の試みは、テキストにはない折り筋の追加。
写真をたくさん撮りながら検証したので、良かったら参考にしてみてください。


お手元には、テキスト「一枚の紙から作るバラの折り紙」のご用意を。


❶トンガリを事前に仕込む
❷新たな疑問が浮上
❸まだまだ精度不足


♦︎♦︎♦︎


❶トンガリを事前に仕込む
私がいつも苦戦しているポイントが、一番内側の花びらです。
どうしても、5つのカドが均等な星形になりません。


そこで、工程4の後に、該当箇所をあらかじめ尖らせておくことにしました。
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そのまま収束させて、花の中心をグリッと開きます。
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一応、予想どおりのトンガリを出すことができました。
しかし、ちょっと尖りすぎたかも?


❷新たな疑問が浮上
完成したニューモダンローズを眺めていて、新たな疑問が浮かびました。


「求心中割り折り」の開き方です。
今回は、結構ガッツリ開いたまま均等に仕上がりました。
かかる力の方向が、外側・内側で異なるためでしょう。

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しかし、先日のコンベンションで佐藤さんが作ってくれたものは、ピッタリ接触しているんですよね。
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恐らく正解はなく、ベストバランスは素材によっても変わるのでしょう。
もちろん、折り手の好みもあると思います。
(佐藤さんの作り方も、テキストが出た当時よりも洗練されています。)


皆さんは、どんな風に仕上げていますか?


❸まだまだ精度不足
エラそうに検証しておいて、さぞ完璧な花びらに仕上がったのだろう…
と思いきや、そうでもありません。


正面から撮った写真を見ると、五角形が微妙に歪んでいます。

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普通に眺めているぶんには綺麗なんですけど、写真はウソをつきません。

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もっと精度を上げなきゃですね…


◯正五角形にカットするとき
◯折り筋を仕込むとき
◯収束させるとき
◯中心を開くとき
◯花びらの仕上げ


このいずれかで、誤差(ゆがみ)が出てしまったのでしょう。

もっとたくさん作って、精度を上げていきたいと思います。


余談ですが、作品を「片目」で見ると、写真を撮った時のイメージに近くなります。
両目だと、左右から被写体を見る事になるので、写真より立体的に見えるんですよね。

良かったら、試してみてください。


♦︎♦︎♦︎


というわけで、今日は「解説」というより「検証」のコラムでございました。


佐藤さん本人も、ご自身のInstagramで解説を載せてくれている事ですし、皆さんも工夫しているポイントがあったら共有しましょう!

 

過去の解説記事も、良かったらお読みください。

masanii-origami.hatenablog.com

 

【折り紙講座レポ】地域の公民館で教室をやりました! 〜折り鶴・カキ氷・白鳥〜

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コンベンションから半月あまり。
まだ余韻に浸っているまさにぃでございます。


今日は「教わる側」でなく、久しぶりの「教える側」。
毎年お世話になっている公民館で、折り紙教室をやらせていただきました。

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お子さん、親御さん、ご年配の方…
3世代にまたがる幅広い年齢層です。

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お越しいただいた方、ありがとうございました。


さて、この日のレポでございます。
❶あえての「折り鶴」。
❷「かきごおり」が大活躍
❸Tommyさんの「白鳥」に挑戦


♦︎♦︎♦︎


❶あえての「折り鶴」。
簡単な作品でウォーミングアップをしたあと、皆さんに
「ところで、折り鶴って折れますか?」
と聞いてみました。


すると。
「昔は…」と、苦笑いしながら、お互いの顔を見合わせる参加者の皆様。


せっかくの機会なので、みんなで一から作ってみることにしました。 

折り鶴って、慣れない方がいきなり折ると、結構難しいんですよね。


そして、意外かもしれませんが、教える方も結構頭を使います。
基本テクニックが詰まった作品なので、情報量のコントロールがキモなんです。


専門用語をどこまで使うか。
ペース配分を誰に合わせるか。
どこまでのクオリティを求めるか。


今回は初心者の方が多かったので、「おりがみ4か国語テキスト100」に載っている、一番スタンダードな方法で進めました。

余裕のある方には、ちょっとした小技もアドバイス


無事に、みんな完成させる事ができて良かったです。
ただし、教えるのに熱中しすぎて、写真を撮るのを忘れました\(^o^)/


余談ですが、折り鶴を綺麗に折る方法については、過去に詳しく解説していますので、良かったら後ほどお読みください。
(2019/07/18)

masanii-origami.hatenablog.com


❷「かきごおり」が大活躍
今回は夏休みということで、月刊おりがみ504号(2017年8月号)の「かきごおり」をチョイス。

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2年前の掲載作品ですが、簡単で見栄えがよく、夏の講座にはもってこいの題材です。


この作品が優秀なのは、「氷」と「器」の組み合わせを変えられること。
早く終わった方には、2パターンの氷(シロップ)を作っていただきました。

家に帰っても「おままごと(お店屋さん)」を楽しめそうです。


ある方が作った「ポリゴン柄」がどハマりしたのは意外でした。イチゴシロップ練乳がけ。

みんなの発想はどれも新鮮で、私も勉強になりました。


❸Tommyさんの「白鳥」に挑戦
先日のコンベンションで習った、Tommyさんの「白鳥」を、3人の方に折っていただきました。

「鶴の基本形」を応用した、美しいデザインの作品です。


先程「折り鶴」をやったばかりの皆さんには少しハードだったようですが…
少しお手伝いしたり、首などのパーツを単体で作って説明したりして、何とか3人とも完成!

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カラフルな白鳥が並ぶと、みんな大喜び。
(こういう色も、たまにはアリかと)


やり切った達成感にあふれた表情に、私も頬がゆるみます。


作品の共有を御承諾いただいたTommyさん、ありがとうございました。

なお、本作品は「FLIP FLAT 折り紙作品集」という書籍に掲載されています。

これを機に、ぜひチェックしてみてください、
Kindle版なら、なんと99円!)


また、私のコンベンションのレポでも紹介していますので、併せてお読みいただければ幸いです。
(2018/08/17)

masanii-origami.hatenablog.com


♦︎♦︎♦︎


今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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最後に、こぼれ話を少々。
「佐藤ローズ」を教室の隅に飾ったら、休憩時間に人だかりができるほどの人気ぶり。


が、ふと目を離すと…
女の子が「ハイブリッドティーローズ」のガクを引っこ抜いている!


ああっ
やめろっ
結構ガッチリ組んだのに。
思いっきり引っ張っただろ、オマエ。


ガクをスポスポ抜き差しして遊んだ後は、逆さまにしてコマ回しを始める始末。


こ、こらっ
コレはそういう作品じゃないって。
佐藤ローズは、観て楽しむものなのだッ!!


しかし、つくりが頑丈だったのが幸いし、まったくの無傷で生還。
フランス製・キャンソンヴィヴァルディ、さすがの強度です。


ここでも多くの人に愛される、佐藤ローズなのでした。

 

【折り紙コンベンション・番外編】 〜赤いニューモダンローズと、佐藤さんのポイント解説〜

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過去5回にわたりお送りした、第25回折り紙探偵団コンベンションの講習レポ。
「折り紙探偵団コンベンション」は折り紙ガチ勢の楽園だった - まさにぃの折り紙コラム
展開図からのスパルタ講習!〜机さんの「鯉」は想像以上にコイ時間だった〜 - まさにぃの折り紙コラム
折り紙コンベンション講習・Tommyさんの「白鳥」をおさらい! - まさにぃの折り紙コラム
折り紙飛行機を極めると、こうなる!細部までリアルなこだわり作品「F-104G スターファイター」 - まさにぃの折り紙コラム
折り紙の教え方も勉強になった、萩原元さんの「15°カタツムリ」。 - まさにぃの折り紙コラム


今日は番外編として、講習のスキマ時間に折った佐藤ローズをお届けいたします。


バラの種類は「ニューモダンローズ」
素材は、ヴィヴァルディの「ダークレッド」です。

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この日、会場でたまたまご一緒させていただいた(!)考案者の佐藤直幹さんが、貴重なアドバイスをくださいました。


それでは、まとめてお送りいたします。
❶「求心中割り折り」の新事実
❷光で変わるバラの表情
❸ついに出た!本人のポイント解説


♦︎♦︎♦︎


❶「求心中割り折り」の新事実
私が五角形に仕込んだヴィヴァルディ(黒)を持っていたので、佐藤さんはその場でニューモダンローズを折ってくれました。
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「求心中割り折り」を仕込む際のコツは、両側を閉じた後に「S字」に曲げるんだそうです。
(テキストの工程5〜8)

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この作品は、中心の処理がとりわけ難しいので、本当に助かります。


完成した佐藤さんのニューモダンローズは、やはり感動の美しさでした。

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(「忘れちゃったよ〜」と言いながら、私の持っていたテキストを見ながら折っていたのは、ココだけの話。)


それにしても、どれだけ場数を踏めば、これだけの短時間でこのクオリティを出せるのか。
そして、なぜS字にするとキレイに仕上がるのか。

うーん、わからん。
きちんと言語化して、自分のモノにしたいところですが…
まだまだ、私も修行が足りないようです。


ちなみに完成した黒いバラは、お隣にいた親子にプレゼントしていました。
こうした佐藤さんのサービス精神も、佐藤ローズが愛されるゆえんなのでしょう。


❷光で変わるバラの表情
下の写真は、4つとも同じ被写体です。

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左は、コンベンション会場で撮ったもの。
さすが大学の教室!という感じで、自然光が活きた爽やかな写真が撮れました。


右は、友人宅で撮ったもの。
暖かな色合いのライトによって、落ち着いた大人の雰囲気になりました。

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(そのままプレゼントしてきました)

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同じ作品でも、照明の色によってこんなに印象が変わるんですね。

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おまけに、ハイブリッドティーローズとニューモダンローズを見比べてみました。
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ニューモダンローズの方が難しいけれど、完璧に仕上がった時の佇まいは、ハイブリッドティーローズを凌ぐ美しさです。


折るたびに新しい発見がある佐藤ローズ。
私の中のブームは、まだしばらく続きそうです。


❸ついに出た!本人のポイント解説
最近、佐藤さんがInstagramで、ハイブリッドティーローズの仕上げ方を解説してくれています。
(アカウント:satonaomiki )
Naomiki Sato on Instagram: “ハイブリッドティーローズの最後の仕上げ方をまとめてみました。 1. 中割りして二重になった花びらをして先の細い丸箸を挿して左右2動かしてしごき隙間が無いようにします。 2.…”
Naomiki Sato on Instagram: “ハイブリッドティーローズの仕上げのアドバイス続きます。 3.…”
Naomiki Sato on Instagram: “ハイブリッドティーローズの仕上げの続きです。 4. 先ずは、花びらを外側に開いて花の径が大きくなったところから始めます。 1花の底を上にして、外側の花びらの左端の部分を少しだけ外側に折ります。 2…”
Naomiki Sato on Instagram: “ハイブリッドティーローズの仕上げの続きです。 4 次に、外側から二例目の花びらの左端の重なりの部分に少し谷折りをします。底の面に対して少し角度をつけてください。花びらを丸く成形します。 5 この時、花びらの角の先端に残した遊びの部分を全部広げます。 6…”
Naomiki Sato on Instagram: “ハイブリッドティーローズの仕上げの続きです。 7 底を下にして、外側から三列目の花びらの左端に鋭角的な折りを小さく入れます。 8 折るのは端だけで、残りは柔らかく広げます。 9…”
Naomiki Sato on Instagram: “ハイブリッドティーローズの仕上げの最後です。 10 花びらの角をつまんで尖らせます。 11 中割り折りをして出来た花びらを少しだけ外側に折ります。 12 横から見て、一番外側の花びらを丸く成形し直します。 これで完成です。お疲れ様でした!”


全6回の、写真付きアドバイス
これが無料なんて、贅沢すぎるッ!!


過去に私も何回かポイント解説をさせていただいたところですが、ご本人のアドバイスは、やはり濃度が違います。

花びらを綺麗に見せるコツが満載ですので、ぜひチェックしてみてください。


併せて、私の記事もご一読いただければ幸いです。
ハイブリッドティーローズ解説
(仕込み編:2019/07/12)
まさにぃ・佐藤ローズ攻略への道【仕込み編】 - まさにぃの折り紙コラム
(組み立て編:2019/07/14)
まさにぃ・佐藤ローズ攻略への道【組み立て編】 - まさにぃの折り紙コラム
(補足:2019/07/16)
まさにぃ・佐藤ローズ攻略への道【補足】 - まさにぃの折り紙コラム
ニューモダンローズ解説
(2019/08/11)
ニューモダンローズを上手に作るコツ! 〜組み立てプロセスを徹底解剖〜 - まさにぃの折り紙コラム


♦︎♦︎♦︎


今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。


コンベンションの講習レポは、ひとまずこれくらいにしておこうかな。
ご紹介していない作品もありますが、またの機会にということで。


さて、次は何を折ろうかな。
ニューモダンローズを練習しようか、ハイブリッドティーローズに立ち返ろうか、ガーデンローズに手を出そうか…

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困ったことに、バラ以外にも折りたい作品がたくさんあります。


今後の作品も、お楽しみに!

 

折り紙の教え方も勉強になった、萩原元さんの「15°カタツムリ」。

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第25回折り紙探偵団コンベンション、日曜日・2コマ目の作品紹介でございます。

(過去のレポ)

masanii-origami.hatenablog.com

masanii-origami.hatenablog.com

masanii-origami.hatenablog.com

masanii-origami.hatenablog.com


今日の作品は、

萩原元さんの「15°カタツムリ」


らせん状に巻かれた貝殻が特徴の、かわいらしい作品です。

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とても気に入ったので、7色作ってみました。

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下に敷いたのはネクタイです。

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さて、今日も講習のレポをお送りいたします。
❶感動づくしの50分
❷教え上手な萩原さん
❸らせんの貝殻について


♦︎♦︎♦︎


❶感動づくしの50分
複雑な作品のイメージがある萩原さんですが、今回はとてもシンプルで折りやすかったです。


◯難しい折り方が出てこない。

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◯22.5°ではなく15°にすることで、らせんの中心が小さくなり過ぎない。

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◯裏側のスタンドは、床面にピッタリくっつく。

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◯ちょっと小さくなるけど、15cmでも無理なく作れる。

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◯どんな絵柄でもかわいい。

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◯紙をはさむと、メモ立てにも使える。

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という、良い所だらけの作品でした。
特に最後の「メモ立て」が感動的で、周りから歓声が上がっていました。
プレゼントにも使えそうなので、量産しようかな。


❷教え上手な萩原さん
作品も素晴らしかったのですが、個人的にツボだったのは教え方。

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一回り大きな紙を使って、黒板に作品を貼って、みんなが見えるように。
折るポイントは、カラー磁石を使って分かりやすく。
時々、周りを巡回して、進捗を確かめながら進めていきます。


初心者を焦らせず、上級者を退屈させない、絶妙なペース。
不思議なくらい居心地のいい、平和な講習となりました。


私も日頃から人に教えることを意識しているつもりでしたが、これには脱帽です。
よく研究させていただきます。


本当に分かりやすくて驚きました。
こういう講習ができる人になりたいなぁ。


❸らせんの貝殻について
1つのカドを使って「らせん模様」を作る方法は、実は結構前からあります。


カドを細くして、90°の角度で「山折り」に折るのを繰り返すだけの簡単な構造です。


綺麗ならせん模様が簡単に仕上がるうえ、紙がしっかりロックするので、個人的にもとても好きな折り方です。


私が最近折ったものだと、神谷哲史さんの「サザエ」と「ヤドカリ」があります。
(サザエ:2018/04/12)

masanii-origami.hatenablog.com

(ヤドカリ:2018/04/29)

masanii-origami.hatenablog.com


1枚の紙でコレだけ作っても面白いので、ご存じない方はぜひやってみてください。
(理論上は無限に作れます)


今回は、ピロッと出ている最後のカドを内側にしまい込んで、スッキリさせています。

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この方法は私も知らなかったので、目から鱗でした。


♦︎♦︎♦︎


というわけで、萩原元さんの「15°カタツムリ」でございました!

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シンプルな構造にこだわりが詰まった、素晴らしい作品。
講習そのものも、非常に勉強になりました。
萩原さん、ありがとうございました。


講習の最後には、出来たてホヤホヤの「コアラ」をお披露目。

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Twitterで創作の過程を拝見していたので、これは嬉しいサプライズでした。
やっぱりこの人、すごすぎる…