会社のアニバーサリー企画として、お客さんに折り鶴をプレゼントすることになりました。
職場では、みんなで折り鶴を量産中。
外国人の方が相手の窓口なので、これを機会に日本の文化に触れて、楽しんでいただけたら嬉しいです。
さて。
せっかくの機会なので、私も「折り鶴」と真剣に向き合ってみました!
「美しいツル」を折るために、細部まで徹底的に突き詰めました。
本では決して教えてくれない、マニアックな解説をお送りいたします。
❶展開図から折ってみよう
❷カドの「スキマ」をコントロール
❸背中をふくらませるコツ
❹羽が浮いたまま立つ!?
では、どうぞ。
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❶展開図から折ってみよう
折り鶴の一番ポピュラーな折り方は、こんな方法かと思います。
◯三角に折る
◯もう一度三角に折る
◯開いてつぶす
◯裏返して、開いてつぶす
(以下略)
実は、もっと良い方法があるんです。
折紙講師の参考書「おりがみ4か国語テキスト100」では、3通りのアプローチが紹介されています。
その一つが、今回のやり方。
正方形からダイレクトに折り筋をつけ、一気にたたむ方法です。
ムダが一切なく、折り線を合わせやすいので、早く正確に折ることができます。
❷カドの「スキマ」をコントロール
これは、私の完全オリジナル。
22.5°に折り筋をつける際、「頭」と「尾」になる部分は、中心に少しスキマを空けておきます。
ピッタリ合わせると、最後の中割り折りで内側で紙が寄り、重なってしまうんですよね。
これは物理的に避けられないので、ズレる幅を予測し、離しておくわけです。
一方で、「羽」になるカドは、極限までピッタリ合わせてOK。
ここは、後半に動かすことはありません。
裏側の紙を見えなくなるくらい、完全に閉じてしまいましょう。
(重ねちゃダメですよ!)
あとは、鶴の基本形まで一気にたたんでいきます。
そこからは、テキストどおりです。
この2つを実践すれば、さらなるハイクオリティ折り鶴を作れるはずです!
❸背中をふくらませるコツ
せっかく綺麗に作ったのに、最後にクシャッと潰れてしまったら悲しいですよね。
どうしたら綺麗なドーム型になるのか、私なりに考えてみました。
羽の根元をしっかり持って、軽く引っ張るのはいつもと同じ。
(羽の先端を持つと、ビリッといきます)
膨らんできたら、前後を内側にカーブさせてみましょう。
中心から外側へ、両端から指を這わせて丸みを付けると、綺麗に仕上がります。
首と尾がすっぽりカーブに収まるので、背中の膨らみにもぶつかりません。
一切シワにならないので、とってもオススメです。
❹羽が浮いたまま立つ!?
背中がフラットな状態で立たせると、羽が左右にピンと伸びて、「凛」とした姿勢を見せてくれます。
倒れずに安定するのは、中割り折りの根元が、ちょうど4点で接地しているからです。
(背中を膨らませると立たなくなるのは、根元がキュッと閉じてしまうから。)
前後左右で等しく折れていることと、中割り折りが根元までシッカリできていることが条件。
内側がシワにならないよう、揉み込んで伸ばしてあげましょう。
(と言いながら、ちょっとシワが見えちゃってるのはご愛嬌ということで。)
手汗や湿気でクタッとなる前に、短時間で仕上げるのがコツです。
おしとやかに佇む本来の形も風情がありますが、この方法でキリッと姿勢良く仕上げるのも、オススメの折り方です。
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いかがだったでしょうか。
この方法は展開図を理解する必要があるので、ビギナーの方に教えるときは使いませんが、自分で折るときは100%この方法で折っています。
ちなみに私は「背中はフラット派」だったのですが、❸の方法と出会って以来、どちらも好きになりました。
フワッと膨らむ瞬間って、特に外国の方にウケるんですよねぇ。
先日のフランスでも大好評でした。
皆さんのお好みは、どちらでしょうか?
<テキスト紹介>
日本折紙協会「おりがみ4か国語テキスト100」
伝承作品を中心に、定番の作品を100個掲載。
鶴の基本形における3通りのアプローチなど、折り紙の基礎テクニックも詰まっています。
折紙講師の必修テキストにもなっています。
<素材紹介>
今回使ったのは、すべてダイソーの素材です。
Amazonでは取り扱っていないので、代わりに私のオススメ素材をご紹介。
①トーヨー 和紙風 千代紙づくし
和柄の洋紙。絵柄がきれいで折りやすいという、イイとこ取りの素材です。
プラケース付きなのも嬉しいポイント。
②ショウワグリム ハーモニーBOX様々なグラデーションが美しい折り紙。あじさい折りにも大活躍です。
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