今日は、いっくんのリクエスト。
先日の講座で、彼が「端正な折り紙」というテキストを貸してくれたのですが、その中に載っていた作品です。
講座の中で一度折ってみたのですが、これがなかなか難しい。何とか「ボルト」は完成しましたが、納得できるクオリティではなかったため、家に帰ってリベンジすることに。
何とか「ボルト」「ナット」の両方が完成したので、写真とともに解説をお送りいたします。
❶デビッド氏の作品について
❷デビッドさん、むずいっす!
❸紙の色で厚みが変わる!?
では、どうぞ。
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❶デビッド氏の作品について
デビッド・ブリル氏は、イギリスを代表する折り紙作家です。
同氏の作品で有名なのは「タバコの箱(Cigarette Packet)」でしょう。箱もタバコもすべて一枚。ビビります。
引き出しが開閉する「マッチ箱」なんていう作品も。どちらもネットで検索するとすぐに出てくるので、ぜひ一度ご覧になってください。
実家で小さい頃に見た「月刊おりがみ」のギャラリーで、同氏の作品をよく見かけた覚えがあります。
で、「ナットとボルト」の考案者がデビッド・ブリル氏と知ったのは、折っている最中のこと。まさか、あの人の作品だったとは!
❷デビッドさん、むずいっす!
家で一人で折っていると、だんだん細かいポイントが見えてきました。しかし…
難しい!!
折り筋をびっしり仕込んだあとは、紙をぐるりと丸めて組み立てていきます。
その後、紙の端と端を重ね合わせたまま、バキバキとネジのらせん構造を作っていくのですが、なかなかスムーズにいきません。
片方折ってはもう片方、と少しずつ進めていかなければならず、かなり根気のいる作業でした。
しかも、折り筋を完璧に仕込んだはずなのに、終盤には結構な誤差が…
あと何個か作らないと、完璧なクオリティにはならない気がします。
しかし、とてもユニークな作り方で、折っていて楽しかったです(^o^)
❸紙の色で厚みが変わる!?
これは、最初に折った試作品。黒い紙を使ったのですが、気づいたことが一つあります。
それは、
「色が濃いと、紙が厚くなる」ということ。染料がふんだんに使われているからでしょう。
1枚1円以下の安い紙なら、どっちみちペラペラなのであまり気になりません。しかし、ちょっと質のいい紙だと、その差は顕著に出ます。
簡単なものなら問題ありませんが、紙の重なりが多い複雑な作品は、とりわけ丁寧に作っていかないと、終盤に折りづらくなります。そのぶん、完成品は重厚感が出るんですけどね。
同じパッケージから黒色と白色を取り出して、同じ作品を折ると分かりやすいです。時間があるときに、ぜひやってみてください。
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というわけで、今回は久しぶりに、新しい作品にチャレンジしました。技術的な限界が見えたのは悔しい気もしますが、これから少しずつ克服してレベルアップしていきたいと思います。
やっぱり、挑戦は楽しい!
また、このような形で、デビッド氏の作品と再開できたのも嬉しかったです。その機会を与えてくれたいっくんにも、感謝ですね。
<テキスト紹介>
「端正な折り紙」
今回の作品の折り図はこちら。
大御所作家によって生み出された名作がズラリ。
姉妹作「秀麗な折り紙」もオススメ。