まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

花折りピラミッドから、「小さい≠難しい」について考える。

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一回り小さい紙で、花折りピラミッドを折りました。約11.7cm×11.7cm。

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縦横を32等分に仕込むので、1マス約3.66mmとなります。

 

さて、今回は「小さい≠難しい」がテーマです。

 

紙が小さくなると難度は上がりそうですが、必ずしもそうとは限りません。極端に小さい場合を除き、メリットもあると思います。

 

●意外と作りやすい。
小さい紙は、相対的に紙が厚く感じられます。厚い紙ほど、仕込んだ折り筋に対する紙の動きが良くなります。つまり、戻りが良くなるんです(弾力が上がる)。


ただし、紙が何十枚も重なる複雑系の作品ダメです。厚いと物理的に折れないので。しかし、重なりが10枚以下と少なく、なおかつ規則的なあじさい折りは、仕込みさえ正確なら、破綻せずにパキパキ作ることができます。
つまり小さな紙は、自分の指先以上に紙のパフォーマンスを発揮させる良い機会なんです。

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●誤差が目立たない。
小さい作品は主要なパーツに視線が行きがちなので、細かな誤差は意外と気にされないものです。もしくは、小さすぎて見えない。一人に見れらる時間が短い展示会で感じたことです(手を抜け、というわけではないよ!)
ただし、プレゼント用に作る場合は例外です。どこを見られても美しいと思われるため、妥協なく徹底的に作り込むべし。

 

●かさばらない。
ものづくりを趣味としている人に必ず付いて回るのが、置き場所です。自宅に置いても邪魔、他人にあげても苦笑いされる。どうせ引っ越しの際にドサクサに紛れて捨てられるのがオチです。手帳に挟んで持ち帰ってもらえるサイズがちょうどいい。

え、小さくても捨てられる?それは言わないで…
良いんです、要はストレスなく持って帰ってくれさえすれば。

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以上の理由により、小さい作品には小ささゆえの良さがあります。これらの要素は、より単純な作品はもちろん、ユニット折り紙などにも言えます。


視力が追いつかなければ、虫眼鏡でも老眼鏡でも使えば良いんです。というか、普通サイズで何個か折ると構造が何となく頭に入るので、ある程度感覚で折れるはずです。
そして、指が入らなければ爪楊枝を使いましょう(爪楊枝の上手な使い方は、過去の記事爪楊枝は体の一部。 - まさにぃの折り紙コラムで紹介しています)。

 

なお、繊維や染料をケチった安物の紙では、途中で端がボソボソになったり、色がはげたりします。なるべくしっかりした紙を選びましょう。