まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

最新の複雑系折り紙、キム・ドンヒョンさんの「Temple Dragon」 〜あまりの難しさに、再チャレンジを誓う〜

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日本折紙学会の30期会員向けの特別資料として、ある冊子が送られてきました。

 

載っていたのは、2種類の折り図。

キム・ドンヒョンさん(Kim Dong-Hyeon)の「テンプルドラゴン(Temple Dragon)」

神谷哲史さんの「オートバイ」

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Templeは「寺」という意味の他に、「神殿」「殿堂」という意味もあります。

「神殿の龍」といった訳し方でしょうか。

土日の予定も潰れてしまった事だし、久しぶりに複雑系をやろうかな〜と思っていたところ、絶妙なタイミングです!


と、意気揚々と手を出したものの…

想像を超えたヤバイ代物でした。

 

☘️今日のトピック☘️

❶セリア53cmのデビュー

❷典型的な「鶴ドラゴン」

❸命からがらの逃げ切り


♦︎♦︎♦︎


❶セリア53cmのデビュー

ついに、コイツの出番です!

昨年にたくさん買って、未開封のまま部屋の片隅に転がっていたんですよね。

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それにしても…でかい。

テーブルに乗り切りません。

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三角に折って誤差チェックしてみると、ズレは1mm以下でした。

このサイズでこの精度なら、優秀な方でしょう。

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しかも100円で8枚入り。税込みでも13.75円というコスパの良さ。

複雑系には持ってこいの素材です。

私が行った店では在庫がなかったので、店員さんを捕まえて取り寄せました。


❷典型的な「鶴ドラゴン」

折り鶴を作るとき、終盤に「ひし型」になるシーンがあると思います。

いわゆる「鶴の基本形」です。

頭・足(羽)・尾が均等に配置されたこの構造はとても優秀で、ツル以外の鳥や動物など、様々な作品のベースとなっています。

ドラゴンも例外ではなく、鶴の基本形をいじくり回してデザインされる場合が多いです。

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この場合、「鶴ドラゴン」と呼ばれることもあります。

(ツルの原型は完全になくなっていますが…)


と、折る前にペラペラ解説していますが…
本当の修羅場は、ここ始まるのでした。

 

❸命からがらの逃げ切り

複雑系にしては仕込みが少なく、比較的早い段階でドラゴンらしくなってきました。


しかし、早くも暗雲が。

■工程21

早くも先端の塗料がハゲ始める。

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■工程34

指が青くなる。

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■工程63

紙が裂け始める。

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■工程74

無残に裂ける。

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■工程78-79

意味が分からず、かつ影響が少なそうなので省略する。


工程数は217、その半分もいかないうちに、だんだん無残な姿になっていくドラゴンくん。

セリアの53cmでも紙が厚すぎたらしく、手足はパンパンです。

いくつかの工程は物理的に折ることができず、やむを得ず省略しました。


結局、一応ドラゴンらしくはなりましたが、細部は見る影もありません。

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折れずに「曲げる」しかなかった両手は、キョンシーのように前に突き出されています。

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で、でもまぁ、頭とシッポは一応お見せできるクオリティになったのでは…

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うん、テキストとは、程遠いですね。


♦︎♦︎♦︎


はい、惨敗です\(^o^)/

佐藤ローズのように1時間以下で完成する作品ばかり折っていたので、久しぶりにヒーヒー言いながら折り紙しました。


正直、放り出して佐藤ローズに逃げたい気持ちですが…

このまま諦めては、作者のKimさんに失礼極まりない。

次回こそは、もっとマシなクオリティに仕上げてみせます!

Mr.Kim, I'll challenge it again soon!!!!!