まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

A4クラッポマーブル×剣弁高芯咲きのバラ 〜「ミニ佐藤ローズ」を折るために工夫したこと〜

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クラッポマーブルのA4(21cm)で、「剣弁高芯咲きのバラ」を折りました。

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前回の「ハイブリッドティーローズ」と直径はあまり変わりませんが、印象はかなり異なりますね。
(2020/02/21)
https://masanii-origami.hatenablog.com/entry/2020/02/21/223705

 

全てのパーツが、バランス良く配置された「HTローズ」。
キュッと締まった芯と、大胆な花びらのメリハリが印象的な「剣咲き」。
皆さんのお好みは、どちらでしょうか?

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さて。
今日は、がっつり技術系のコラムです!
バラの完成度がぐっと高まる、「ちょっとしたコツ」をお伝えいたします。


☘今日のトピック☘
ナチュラルな曲線を作るには
❷「扇風機」の意外な原因
❸底はまさに「縁の下」


♦︎♦︎♦︎


ナチュラルな曲線を作るには
重なった紙をカーブさせるとき、カクカクしてしまうこと、ありませんか?
これは、「紙の浮き」が原因であることが多いです。


つまり、密着させてしまえばいい。
2つのパーツを例に、解説いたします。


■花びらの中心

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微妙なライン取りが難しいですよね。
ここが浮いてしまう場合は、「外へプレス」を意識すると良いです。

いつもはペン先でやりますが、今回はパーツが小さいので爪楊枝を使います。

言葉にすると分かりづらいのですが…
コロコロと転がしながら、外側に押しつけると上手くいきますよ。


■中心を囲むトンガリ

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全体をつまんで、グリッと曲げてやればOKです。

「剣咲き」はHTローズよりトンガリが大きいので、私のように太い指でも大丈夫。

もちろん、他のパーツも原理は同じです。

密着度が高いほど、カーブさせやすくなります。

あまり強くやり過ぎると、独特のふんわり感がなくなってしまうので注意。

皆さんそれぞれ、お好みのバランスを探してみましょう。

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❷「扇風機」の意外な原因
5つの花びら分離してしまう現象を、佐藤ローズの世界では「扇風機」と呼びます。
(見た目どおりの、上手い表現ですね。)

最近になって、花びらの分離は「ある工程」が大きく関わっていることが発覚しました。

収束直後、下の花びらを折り上げるシーン。
今回の「剣咲き」では、工程50にあたります。

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根本の内側(上側)が浮くことが多いのですが、実はここが「花びらの分離」に直結します。

後から修正するのは、非常に面倒です。


密着させるコツは、両手の人差し指でしっかり押さえ込むこと。

そのまま、両手の親指でグリッと折り上げます。

(両手をがっつり使うので、撮影できませんでした)


ちなみにこの傾向は、他のバラにも当てはまります。
ハイブリッドティーローズ→30-32
・ニューモダンローズ→28-30
・ガーデンローズ→32-34
上記のステップをやる際には、同じことを意識してみてください。


❸底はまさに「縁の下」
「扇風機」になるのを防ぐのに、もう一つ大事なことがあります。

それは、底の作り方です。
実は、佐藤直幹さんから一番最初に教わったポイントがここ。
(2019/07/14)
https://masanii-origami.hatenablog.com/entry/2019/07/14/235849

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■山を5つ作る

テキストではあまり具体的に書かれていないのですが、底はギザギザに作ると良いです。

「ガクがピッタリはまる」という見た目の問題もありますが、タテ向きの方が根本を押さえる力が強いんです(後述)。


■根本は限界まで奥へ

扇風機でお悩みの方は、ほとんどの場合ここが甘い気がします。

「ここが浮かなければ分離しない」と言っても過言ではないかもしれません。

ちなみに、この時点で花びらが隣同士で重なっていないと、押さえる力が半減するので注意。

後の工程でも結構浮いてくるので、こまめにプレスし直しましょう。

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と、いうわけで。

先程の②も含めて、このあたりの工程は、かなりキツめに折っていくのが正解です。

ちゃんとフワッとしたバラになるのかな?と心配になりますが、大丈夫。

分離したパーツを巻き込むのは難しいけれど、ほぐして広げるのは意外と簡単なんです。

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まさにぃに騙されたと思って、一度やってみてください。

結構、仕上がりが変わると思います。


あっ

でも、紙の強度を超える力をかけると、盛大に破れます。これは実証済みです。
(2020/01/10)
https://masanii-origami.hatenablog.com/entry/2020/01/10/230149

 

♦︎♦︎♦︎

 

結構長くなっちゃいましたね。もう少し簡潔に、読みやすい文章を心がけたいものです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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それにしても、クラッポマーブルは本当に不思議な素材ですね。

仕込みの段階では真っ白なのに、収束させた直後から一気に青くなります。

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市販のA4サイズは21cmなので、テキストの推奨サイズよりは小さいですが、慣れれば何とかなります。

大きめのサイズで慣れてきたら、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。