まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

Tさんから学ぶ「自分のペース」の大切さ 〜布施知子「桜草」〜

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すっかりウチの講座のベテランになった、Tさんの作品です。


布施知子「かわいい花のくす玉おりがみ」より「桜草」。

パーツ一つにつき折り紙を2枚、計60枚の大作です。


Tさんは右半身が少し不自由なのですが、リハビリのつもりで始めた折り紙にハマり、色々工夫をしながら、ほぼ左手だけで様々な作品を作り上げています。折り紙を始めてから半年くらい経つのですが、今や誰もがビビるほどの腕前です。


どの作品も、折り目一つ一つからカドの先まで、とても丁寧に仕上がっています。もともとメーカーに勤めていたとのことで、「良いものをしっかり作る」という姿勢が身に染み付いているそう。その気持ちが、作品からも伝わってきます。


さて、今日のコラムは、そんなTさんのお話。


①「コレやりたい」から一直線

②数ヶ月のち、ついに完成

③「自分のペース」の大切さ

では、どうぞ。

 

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❶「コレやりたい」から一直線
Tさんが折り紙を始めたばかりの頃は、私が題材を提案していました。しかし、今では自分でテキストを買ってきて「ここが分からないから、教えて」といって、自分で題材を選んでくれるようになりました。今回の作品もそうです。


パーツ数も多いし、ユニットを組むのが大変だし、大丈夫かな…と心配していましたが、丸一日かけてパーツの作り方を覚えると、それからコツコツ、自分のペースでゆっくり、着実に作り続けました。


お会いするたびに少しずつ出来上がっていく様子を見て、そのたびに私も嬉しくなりました。


❷数ヶ月のち、ついに完成
そしてついに、前回の講座で完成品をお披露目。最後のパーツを組む際には「あれ、もうこれで完成なのか!」と自分でもびっくりされていました。


あまりのクオリティの高さに、他の作品に没頭していた他のメンバーが手を止めて集まりだし、撮影会が始まるほど。


制作期間は、3ヶ月くらいでしょうか。ご自宅で作った日も含めて、かなり時間をかけたんだと思います。


❸「自分のペース」の大切さ
コラムで何度も言っている気もしますが、ゆっくりゆっくり、自分のペースで折り進めるTさんを見ていると「折り紙はスピード勝負じゃない」ということをつくづく感じます。


最終的に人の目に触れるのは、手間暇かけて作り上げた結果生まれるクオリティで、「いかに早く作ったか」は関係ありません。


(このことについては、3月13日にTさんの作品を紹介した際にもお話ししていますので、こちらも併せてご覧ください↓↓)

片手で作る、ユニットの箱。 - まさにぃの折り紙コラム


講座のメンバーはとりわけ、Tさんがいかに頑張って作り上げたかを知っているので、完成品を見た際の感動はひとしおです。


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今ではTさんはすっかり講座の人気者になり、「講座に行けばTさんに会える」という雰囲気になりました。


今度はどんな作品にチャレンジするのでしょうか。みんなも楽しみにしているでしょうし、私も楽しみです。