まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

ホイル折り紙がやめられない。 〜冥界の番犬「ケルベロス」に挑戦中〜【Part1】

f:id:masanii_origami:20200603212408j:image

神谷哲史作品集2

ケルベロス/Kerberos」を折り始めました。

f:id:masanii_origami:20200603212908j:image

 

完成イメージは、デビル・メイ・クライ3のボスキャラである、氷を操るケルベロスです。

使った素材は、銀色の53cmホイル。

尖ったシルエットと銀の光沢で、氷の彫刻のような質感を目指します! 

f:id:masanii_origami:20200603212939j:image


☘️今日のトピック☘️

❶3つの頭は完成

❷おかんの挑戦状

今回は、サクッと2本立てでお届け!


♦︎♦︎♦︎


❶3つの頭は完成

この日は、工程133でストップ。

ちょうど3つの頭の基礎ができたところです。

現在の状態はケルベロスの干物」

f:id:masanii_origami:20200603213025j:image


今後は手足をはじめ、体の細部を仕上げていきます。


それにしても、複雑系はやっぱり紙の厚みが凄いですね!

写真は工程81の時点ですが、50枚以上重なっています。

f:id:masanii_origami:20200603213036j:image


普通の折り紙なら、この辺りで物理的にギブアップしているところ。

構わずガシガシ進めていけるのは、ホイル紙の恩恵ですね。

f:id:masanii_origami:20200603213045j:image


ここからメキメキと形ができていく、楽しいシーンが続きます。

カマキリのように惨敗しないよう、慎重に進めてまいります。


❷おかんの挑戦状

当初ケルベロスを折る予定はなく、もっとライトな作品を折ろうと思っていました。


が、しかし。

久しぶりに実家に帰ると、段ボールが1箱。

f:id:masanii_origami:20200603213113j:image


「アレ、買っておいたよ」

と母親。何だっけ…


中身は、セリアの53cmホイル。

金銀のロールが10本!

f:id:masanii_origami:20200603213138j:image


珍しく母親がセリアに行くと言うので、頼んでおいたのを忘れていました。


まぁ…

あるからには、折りますよね、複雑系

やっと「平和な作品」に戻れると思っていたのに、思わぬ伏兵が潜んでいました。


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史作品集2「ケルベロス」、前半戦でございました。
次回は完成品をしっかりお披露目できるように頑張りたいと思います! 

f:id:masanii_origami:20200603213202j:image


今回、いつもの3本立てスタイルと更新頻度を、試験的にちょっと崩してみました。

文章は長ければ良いわけではないし、サクッと読んでいただくには、これくらいのボリュームが良いのかもしれません。

折り紙のスキルはもちろんですが、コンテンツ全体に関しても磨き上げていきたいものです。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

www.origamihouse.jp

神谷哲史折り紙作品集3「カマキリ」【Final stage】

お題「#おうち時間

f:id:masanii_origami:20200530235624j:image

神谷哲史折り紙作品集3

カマキリ/Praying mantis

 

ついにできましたーー!

感動です!!

 

かなり時間はかかりましたが、じっくり作品に向き合ったおかげで、満足のいくクオリティに仕上げることができました。

f:id:masanii_origami:20200531013254j:image


全3回、失敗作も含めて全4回。

神谷カマキリ最終章、満を持してお送りいたします。


☘️今日のトピック☘️

❶プロセスのおさらい

❷黒の背景でキリッと締める

❸メタリフェル、夢の共演


♦︎♦︎♦︎


❶プロセスのおさらい

間違えるわ、紙が裂けるわで、散々な思いをした最初の2回。
(2020/05/25)

masanii-origami.hatenablog.com

 

三度目の正直!と気合を入れ直し、工程118まで進めた前々回。
(2020/05/27)

masanii-origami.hatenablog.com

 

工程254、カマが完成し、だいぶカマキリらしくなってきた前回。
(2020/05/29)

masanii-origami.hatenablog.com

 

そして今回!

まずは、針のように細長い4本の脚を仕上げます。

f:id:masanii_origami:20200531013040j:image


次は頭です。
口元や触覚を整えて、首をしっかり曲げてやれば、昆虫らしい小顔が姿を現します。

f:id:masanii_origami:20200531013029j:image


上半身の「くびれ」を作りながら背筋を伸ばし、全体のポーズを整えれば完成!

f:id:masanii_origami:20200531013351j:image

 

4本の脚で自立し、なおかつ全方向から見られる姿は、さすが神谷氏のデザインです。


❷黒の背景でキリッと締める

キレイに作ったら、キレイな写真を撮らねば。
撮影にも気合が入ります。


使ったのは、黒の画用紙。

暗い背景にゴールドが映えて、大人っぽい雰囲気を演出しました。

f:id:masanii_origami:20200531014058j:image


さて、撮ったら加工です。

私はいつも、iPhone8のデフォルトだけで済ませています。


今回の編集メニューは…

ブリリアンスをぐっと下げる
◯シャドウを上げて明るく
◯明るさを下げて全体を締める
◯ブラックポイントを上げてさらに締める
◯精細度を上げて細部をクッキリ
◯露出をちょっと上げて、光沢を強調


だいたい、こんな感じ。

ブリリアンスは上げると一発で綺麗になることが多いのですが、今回のように下げるケースも時々あります。

f:id:masanii_origami:20200531013621j:image

 

指一本で色々な加工ができるiPhone8は、私の活動に欠かせないパートナーです。

皆さんにも、作品を撮る際の工夫や、使っているツールに、こだわりはありますでしょうか?


❸メタリフェル、夢の共演

ひと通り撮影に満足して、ふと顔を上げたその時。

テーブルの脇に、クワガタが転がっているのを発見しました。

ちょっと前に作った、神谷哲史作品集2の「メタリフェルホソアカクワガタ」です。
(2020/05/21)

masanii-origami.hatenablog.com

 

カマキリとクワガタ…

子供が大喜びしそうな、ザ・強い昆虫の組み合わせ。

f:id:masanii_origami:20200531013734j:image


うん。

f:id:masanii_origami:20200531013911j:image

 

撮りますよね、やっぱり。

f:id:masanii_origami:20200531013923j:image


クワガタは35cm、カマキリは53cmなのですが、完成サイズはいい感じに釣り合っています。

(つまり、カマキリの方が1.5倍ほど多く畳まれているという事です。)


こうして過去に折った作品たちを共演させられるのは、折り手の特権ですね。

過去作では、ポメちゃん×パピヨンの2ショットがお気に入りです。
(2019/02/15)

masanii-origami.hatenablog.com

 

♦︎♦︎♦︎


神谷哲史折り紙作品集3
「カマキリ/Praying mantis」最終章でございました。

f:id:masanii_origami:20200531015928j:image

 

ここまで長期戦になったのは、キム・ドンヒョンさんの「Temple Dragon」以来です。
(2020/04/05)

masanii-origami.hatenablog.com

(2020/04/03)

折り紙は一日にして成らず。「Temple Dragon」再チャレンジ【2nd Stage】 - まさにぃの折り紙コラム

(2020/04/01)

折り紙は一日にして成らず。「Temple Dragon」再チャレンジ【前編】 - まさにぃの折り紙コラム

(2020/03/30)

最新の複雑系折り紙、キム・ドンヒョンさんの「Temple Dragon」 〜あまりの難しさに、再チャレンジを誓う〜 - まさにぃの折り紙コラム

 

何がともあれ、長い戦いはこれにて集結!

苦労したぶん、喜びもひとしおです。


コロナで生活も経済も下がり調子なこのご時世、金運が上がりそうな金ピカのカマキリをもって、「おうち時間」を締めくくりたいと思います。

長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。

それでは、またお会いしましょう^^

 

www.origamihouse.jp

神谷哲史折り紙作品集3「カマキリ」再挑戦への道【中編】

お題「#おうち時間

f:id:masanii_origami:20200529230807j:image

カマキリ、順調に完成へ近づいています!

工程を間違えたり破れたりして、涙をのんだ過去2回。
(2020/05/25)

masanii-origami.hatenablog.com

 

作り直して、途中(工程118)まで進んだ前回。

この段階では、まだカマキリの原形はありませんでした。
(2020/05/27)

masanii-origami.hatenablog.com

 

本当は今回で完成させたかったのですが…

焦って失敗するよりも、丁寧さを優先しました。

f:id:masanii_origami:20200529232155j:image

 

お披露目は、次回へ持ち越しということで!


☘️今日のトピック☘️

❶「図のように」折れるか問題

❷前脚のカマを作り込む

❸あと少しで完成!


♦︎♦︎♦︎


❶「図のように」折れるか問題

びっしり引かれた山折り・谷折りのラインに、「このように折る」という漠然とした一言。


上級者向け作品に頻出の、折り手の心を折るパワーワードです。


カマキリにおいて、特にヤバい場面は2つ。

(書籍の内容を載せるのは褒められたものではありませんが、複雑系折り紙の世界を広く知っていただくために、少しだけ拝借することをご容赦ください。)


まず、下半身の基礎をつくる工程113。

f:id:masanii_origami:20200529232337j:image

 

それから、前足の基礎をつくる工程166。

f:id:masanii_origami:20200529232347j:image


どちらも、1工程で「図のとおり」に折りたたみます。

びっしり引かれたラインを眺めていると、目が回るほどの複雑さです。


こういうシーンは、たくさんのラインのどこから手を付けるか、段取りが大切になります。

最初はサッパリ分からずクシャクシャにしてしまったのですが、今回は何とか無難に乗り切ることができました。

f:id:masanii_origami:20200529232406j:image

 

余談ですが、こうした展開図を一気に折りたたむ方法を、折り紙作家の前川淳さんにちなんで「前川フォース」と呼ぶらしいです。

 

❷前脚のカマを作り込む

嬉しかったのは、前回かなり妥協した「カマ」をちゃんと作れたこと。

f:id:masanii_origami:20200529232641j:image


工程235-241で、前脚の途中(腿節)に4本のトゲを出すのですが、前回は構造がまったく分からず100%ごまかしていました。

(そもそも、基礎の構造が間違っていた可能性大)


先端の「脛節(けいせつ)」は、尖らせてカマが閉じるように。

さらに先にある「跗節(ふせつ)」は、テキストの形の1/4まで細くしました。

カマキリの前脚は、カマで終わりではないのです。ご存知でしたか?

f:id:masanii_origami:20200529232719j:image


シワだらけだった前回とは違い、端正なシルエットと、ホイル紙ならではの強い光沢を出すことができました。

この「プラモ感」が良いんですよねぇ。

f:id:masanii_origami:20200529232727j:image


胸部にあたる背中の「板」が、分厚いヨロイのような質感になったのもお気に入りです。

f:id:masanii_origami:20200529232812j:image

 

❸あと少しで完成!

工程254を終えたところで、一旦ストップ。
あとは脚の関節と、顔を作れば完成です。

f:id:masanii_origami:20200529232834j:image


全部で271工程なので、残り17工程。

今のところ、大きな失敗はありません。
油断せず、着実に進めていきたいと思います。


頭部をもたげて、後脚をM字に曲げて、カマはどんな風にポーズを決めようか。

写真の撮り方も考えなくちゃ…

今から、ワクワクが止まりません。


次回は完成品をお披露目できると思いますので、もうしばらくお付き合いいただければ幸いです。


♦︎♦︎♦︎


カマキリの工程数271って、エンシェントドラゴン275とほぼ同じなんですね。
(2020/04/15)

masanii-origami.hatenablog.com

 

複雑系の中でも、神谷氏の作品は「超複雑系」とも呼ばれるジャンル。

最近こういう作品ばかり折っていたので、さすがに頭が固くなってきました。

そして何より、解説どころではありません。


15cmの教育折り紙も大量に余ってるし、ちょうど今日「月刊おりがみ」の最新号も届いたところ。

そろそろ、ライトな作品に立ち返ってみようかな。

 

www.origamihouse.jp

神谷哲史折り紙作品集3「カマキリ」再挑戦への道【前編】

お題「#おうち時間

f:id:masanii_origami:20200527221148j:image

神谷哲史折り紙作品集3

カマキリ/Praying mantis

今度は53cmホイル紙で、3度目のチャレンジです!


いきなり折り筋を間違えて、作り直した1回目。

背中が裂け、いびつな形になりながらも、一応完成した2回目。
(2020/05/25)

masanii-origami.hatenablog.com

 

技術的にはともかく、物理的にはこのままのサイズで作れそうな予感。

銀色から金色にカラチェンして、心機一転の再スタートです。

f:id:masanii_origami:20200527221556j:image


今度こそ美しいカマキリに仕上げたい…

ということで、今回はゆっくりペースで【前編】をお届けいたします。


☘️今日のトピック☘️

❶ありがたい言葉

❷もう、破らない!

❸まだまだ先は長い


♦︎♦︎♦︎


❶ありがたいお言葉

前回のカマキリを投稿したところ、色々な方から激励のコメントをいただきました。


「これ、異次元に無理でした」

という、同じく苦労された方の共感や、

「ホイル紙でよくぞここまで!」

という励ましのお言葉まで。


ずっと一人でやってきたから、今までこんな言葉をかけられる機会はありませんでした。

SNSの繋がりの暖かさに、頭が下がる思いです。みんなありがとう!


あれから結構へこんでいたのですが、お陰様で「次こそは完璧に仕上げてやる!」という思いに切り替わりました。


❷もう、破らない!

前回の失敗の原因となった、工程21以降の仕込みはクリア。

きれいな6等分線を付けることができました。

f:id:masanii_origami:20200527221720j:image


それから、紙がやぶけた工程80。

沈める折りのOpen・Closedを間違えて遭難したのですが、今度こそ迷いません。

初めからClosed sinkで進めたところ、あっさり解決しました。

f:id:masanii_origami:20200527221735j:image


テキストをよく読んでいれば、前回もサクッと乗り切れていたかもしれませんが…

これはもう、悔やんでも仕方ありませんね。

思った以上にキッチリ折れたので、気持ちよく次のステップへ繋げることができました。


❸まだまだ先は長い

この日は、工程118を終えたところでストップ。

271工程あるので、半分弱ですね。

焦って失敗してもいけないので、このペースで続けようと思います。

f:id:masanii_origami:20200527221802j:image


塗装がハゲかけたり、蛇腹が多少ズレたりしていますが、今のところ大きな破綻はなし。

微調整しながら進めれば、カバーできそうな感じがします。


前回は工程80でやぶけて以来、半ばヤケクソで折っていたので、細部に気をくばる余裕がなかったんですよね。

今回はこのまま、ノーミスで走り抜けたいものです!


♦︎♦︎♦︎


カマキリ再挑戦【前編】でございました。

たたむ前のホイル紙と、完成品を比べてみると、いかに小さくなるかが分かります。

f:id:masanii_origami:20200527221827j:image


この小さな体に、無数の蛇腹が秘められています。

薄いホイル紙でも、苦労するワケだ。


次回は一気に完成まで持っていきたいところですが…

慌てず、着実に進めたいと思います。

今後の進捗にも、お付き合いいただければ幸いです。

 

www.origamihouse.jp

まさにぃ久々の失敗 〜神谷哲史作品集3「カマキリ」の前に散る〜

お題「#おうち時間

f:id:masanii_origami:20200525214625j:image

神谷哲史折り紙作品集3

カマキリ/Praying mantis


結論から言うと、まったく歯が立ちませんでした!!

f:id:masanii_origami:20200525215216j:image

 

全271の工程をなぞるだけで手一杯になり、細部の仕上げどころではない事態に。

悔しいので、すぐさまリベンジしたいところですが…

こういう経験も、一つの財産です。

全部記事にしちゃって、これから挑戦する誰か(私も含む)の糧になってもらいましょう。


ああ、何て痛々しいサブタイトル…

☘️今日のトピック☘️

❶いきなり紙をムダにする

❷久しぶりに紙をやぶく

❸完成はしたものの…


♦︎♦︎♦︎


❶いきなり紙をムダにする

意気揚々と折り始めたところ、いきなり失敗しました。

原因は工程21。

目印になるポイントを間違えて、折り線がズレたまま進めたことが発覚!

f:id:masanii_origami:20200525214948j:image


気付いたのは、工程35-36あたり。

「あれ、6等分になってないぞ…」

あわてて折り直すも、既存の線があまりにも紛らわしく、思い切って断念することに。


100m走で、スタート直後に靴ヒモを踏んづけて転んだ格好です。

ここ数年なかった途中放棄。

早くも暗雲が立ち込めるのでした。


❷久しぶりに紙をやぶく

気を取り直してテイク2です。

実はまた工程21を間違えた(!)のですが、早く気付いたので見なかったことにしました。

f:id:masanii_origami:20200525215104j:image


しかし、事件は起こりました。

工程80で、紙が破けたのです。

f:id:masanii_origami:20200525214850j:image


原因は、沈め折りのOpen・Closedを間違えたこと。

ほとんどの沈め折りは「Open sink」なので、テキストをよく見ないままOpenでやってしまったんですよね。

「なかなか上手くいかないな〜」といじくり回していたら、見事に裂けてしまいました。


完全に不注意による見落としです。

さすがに再び作り直すのは心が折れそうだったので、セロテープで補強して再開することにしました。

f:id:masanii_origami:20200525214829j:image


❸完成はしたものの…

これまた久しぶりの事態に見舞われ、諦めムードで進めていった工程80以降。

f:id:masanii_origami:20200525215120j:image

 

何と完成まで漕ぎ着けましたが、所々は完全にごまかしです。

お恥ずかしいのですが、せっかくなので正面ショットをお披露目。


どーん!

f:id:masanii_origami:20200525214754j:image

はい、顔ありません!!


気になる背面は…
どーん!

f:id:masanii_origami:20200525214743j:image
はい、干からびたカマキリてす!


鎌(前脚)のトゲが再現できなかったのも、大きな課題です。
次回こそは、ちゃんと折ります!


♦︎♦︎♦︎


神谷哲史折り紙作品集3「カマキリ」を前に、無残にも敗れた(破れた)今回でございました。

f:id:masanii_origami:20200525215147j:image


言い訳しても仕方ないので、気持ちを切り替えて次に行きましょう。


しっかし、それでも折り紙が嫌いにならないこは、不思議なものです。
次こそはバッチリ仕上げて、綺麗な写真とともにお届けいたします。お楽しみに!

 

www.origamihouse.jp

あじさい折りの季節を前に「まさにぃメソッド」をおさらい。

お題「#おうち時間

f:id:masanii_origami:20200523213311j:image

4月・5月があっという間に過ぎ、桜や新芽をゆっくり眺める余裕もないまま終わってしまった気がします。

そろそろと、6月の足音が聞こえてきました。


今日の作品は「あじさい井桁・詰め」。

4枚1組が9個、計36枚の花びらが敷き詰められています。

f:id:masanii_origami:20200523213542j:image


梅雨の風物詩であるアジサイは、折り紙でも人気のある題材です。

季節をちょっと先取りして、「あじさい折り」の世界をお送りいたしましょう。


☘️今日のトピック☘️

❶秘技「まさにぃメソッド」

❷彩雲紙×あじさい折り

❸5×5でもイケる!


♦︎♦︎♦︎


❶秘技「まさにぃメソッド」

あじさい井桁の作り方は、テキスト「あじさい折りおりがみ」に載っています。

「基本形Aを9つ同時に作ればOK」、という単純なものなのですが、なかなか簡単にはいきません。


そこで考案したのが、「カドを変える」という技術でピラミッドを変形させるアプローチ。

通称「まさにぃメソッド」です。

(2018/04/21)

masanii-origami.hatenablog.com

 

同書の「斜め折り四段ピラミッド」を裏向きに作りながら、特定のカドを変えていきます。

f:id:masanii_origami:20200523213727j:image

 

最終的に、ピラミッド側が碁盤目になっていればOK。

f:id:masanii_origami:20200523213656j:image


ひっくり返すと、あら不思議!

3×3の「井桁・詰め」が完成しています!

f:id:masanii_origami:20200523213519j:image


山折り・谷折りのスイッチで紙を消耗しますが、従来の「合わせ折り同時進行」よりも誤差が出にくいため、しっかりキッチリ作ることができます。

f:id:masanii_origami:20200523214222j:imagef:id:masanii_origami:20200523214212j:image

 

井桁に苦手意識がある方には、ぜひお勧めしたい方法です。


❷彩雲紙×あじさい折り

今回の素材は「彩雲紙 大理石」。

サイズは15.2cmです。

アカウミガメを折るためにカットした余りを使いました。
(2020/05/07)

masanii-origami.hatenablog.com

 

その名のとおり、完成品は大理石の彫刻のような仕上がりに。

以前セリアのマーブルで作ったときと似ていますね。
(2019/04/10)

masanii-origami.hatenablog.com

 

彩雲紙は「あじさい」というカラーもあり、過去にそれで「花折りピラミッド」を折ったことがあります。

こちらは、まさに梅雨の風物詩アジサイですね。
(2020/05/03)

masanii-origami.hatenablog.com

 

素材の絵柄よって雰囲気が変わるので、お気に入りの組み合わせを探してみてください。


❸5×5でもイケる!

3×3の井桁が作れるなら、5×5も作れるのではないか。


はい、理論上できます。

「まさにぃメソッド」を考案して間もないころ、同じことを考えました。
(2018/05/04)

masanii-origami.hatenablog.com

 

しかし、激ムズです!

縦横32等分・斜め64等分の仕込みをした時点でイヤな予感がしたのですが、途中で何度も心が折れかけました。折り紙だけに。

いや、15cmでやった私が悪いんですけどね。


もちろん、「カドを変える」という技術は、あじさい折りのあらゆる作品に応用できます。

模様のパターンを変えたり、ピラミッドの階段の流れを渦状にしたり、自由自在です。
(2018/01/25)

www.instagram.com

(2018/02/03)

www.instagram.com

 

一度コツを覚えると、リズミカルにポコポコできるので、色々遊びながら練習してみましょう。

 

♦︎♦︎♦︎


「まさにぃメソッド」を用いた「あじさい井桁」でございました。

f:id:masanii_origami:20200523213957j:image

 

そういえば、あじさい折りの投稿がちらほらタイムラインに登場してきましたね。

今年も色々な作品に出会えるのが楽しみです。

 

最近は新しい作品にゴリゴリ挑戦するあまり、ちょっと肩の力が入り過ぎていた気がします。
おなじみの作品であるピラミッドは、いい息抜きになりました。

f:id:masanii_origami:20200523214259j:image

 

何も考えずに、淡々と仕込みをやるのも、なかなか良いものです。

おうち時間も、バランスが大切ですね。

 

↑品薄なのか値段が高騰していますが、Kindle版なら定価で買えるようです。

 

 

大迫力の昆虫折り紙! メタリフェルホソアカクワガタ×グリーンホイル紙

お題「#おうち時間

f:id:masanii_origami:20200521215252j:image
メタリフェルホソアカクワガタ
/Cyclommatus metallifer


神谷哲史作品集2の作品に、立て続けにチャレンジしています。

前回:コトドリ/Lyrebird

(2020/05/19)

masanii-origami.hatenablog.com

前々回:ヤドカリ/Hermit Crab

(2020/05/17)

masanii-origami.hatenablog.com

 

今回も、素材は35cmのカラーホイル 。

使った色は、鮮やかなグリーンです。

f:id:masanii_origami:20200521215021j:image


エメラルドの光沢とクワガタのフォルムは、子供が大喜びしそうな組み合わせ。

f:id:masanii_origami:20200521215426j:image

 

定期講座で、キッズにお披露目するのが楽しみです。


☘️今日のトピック☘️

❶仕込みの際のひと工夫

❷沈め折りの洞窟

❸仕上げと撮影の楽しさ


♦︎♦︎♦︎


❶仕込みの際のひと工夫

仕込みの際に、ふと気付いたことがあります。

「紙の端から端まで折らない」というシーンでは、


①ちょっと手前で止める

②完全にピッタリの地点

③ちょっと先まで折る


このうち、③のパターンで折ると良いことが発覚しました。

f:id:masanii_origami:20200521214757j:image


理由はいろいろあります。

まず、他のラインを仕込む際の目印になること。

反対側からチラッと見える延長線が、意外に役立つんですよね。

f:id:masanii_origami:20200521214742j:image


それから、沈め折り(Open sink)がスムーズにできること。

どんどん構造が複雑になっていく中盤で、①のように折り筋が足りないと、この段階で新しい線を追加するとズレやすいんですよね。

カドをバッサリ分断するラインがあると、正確に折る助けになってくれます。


あらゆるシーンで③が適当とは限りませんが、この方法に助けられた経験はたくさんあります。

複雑系作品にチャレンジする際には、ぜひお試しください。


❷沈め折りの洞窟

複雑系の作品には、よく「沈め折り」がたくさん出てきます。

閉じた構造をガバッと開き、内側を凹ませて(沈めて)戻すという、立体的な折り方です。


これを発展させたのが、内部を蛇腹状にたたむ、いわゆる「沈めるように段折り」

パーツをより細く、より多層に作りかえることができます。

f:id:masanii_origami:20200521214644j:image

 

今回のクワガタや前回のコトドリで頻発するのですが、いつも例外なく難しいんですよね。

難度はえげつないのですが、ホイル紙で展開する沈め折りは、光の反射がとても綺麗です。

濃い緑色がキラキラ輝く様子は、まるで宝石のようですね。

f:id:masanii_origami:20200521214706j:image

 

このエメラルドを凝視しすぎると、洞窟に迷い込んだような気分になります。

こう書くとメルヘンですが…転んで(=破いて)遭難(=失敗)しないように必死です!


❸仕上げと撮影の楽しさ

沈め折りの洞窟から何とか生還し、やっとの思いで全工程をクリアしました。

f:id:masanii_origami:20200521215227j:image

 

このあとは、昆虫らしい曲線を出すために、細部を入念に仕上げます。

仕上げ(整形)はほとんどの場合、テキストに大まかな説明があるだけで、完全な正解はありません。

微妙な指づかいとセンスが求められますが、逆にいうとアレンジも自由。

カーブひとつで雰囲気がガラリと変わるので、時間をかけるほど「自分好み」になっていくのが楽しいです。

特にメインの大アゴは、メタリックな光沢と、筋肉質な凹凸を強調したつもりです。

f:id:masanii_origami:20200521215401j:image


そして、やっぱり楽しみは「撮影」です。

初めから決めていたタントのN-10を背景に、色々な角度からベストショットを探します。


手に持ってみたり。

f:id:masanii_origami:20200521214427j:image

 

裏返してみたり。

f:id:masanii_origami:20200521214438j:image

 

ピアノの上に乗せて反射させ、シルエットを演出したりもできます。

f:id:masanii_origami:20200521214414j:image

 

ちなみに撮影はすべてiPhone8、場所も家の中。特殊なものは何も使っていません。

アイディア次第で「 #おうち時間 」を豊かにする方法は、いくらでもあります。

皆さんもぜひ、こうした機会に折り紙を楽しんでみてはいかがでしょうか。


♦︎♦︎♦︎


神谷作品作品集2「メタリフェルホソアカクワガタ」でございました。
いやぁ、難しかった。

f:id:masanii_origami:20200521215443j:image


昆虫は折り紙でも本当にポピュラーな分野で、ありとあらゆる種類のムシが題材になっています。

トップランナー達がしのぎを削る複雑系から、初心者や親子向けのやさしいテキストまで。

紙をカットしたり、2〜3枚組み合わせる作品もあります。

本屋で、ネットで、SNSで。

お気に入りの一冊に出会えたらいいですね。

 

www.origamihouse.jp