まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

【折り紙のアウトプットはどこまOK?グレーゾーンを彷徨ったまさにぃの見解】

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最近、Twitterでこんな質問をいただきました。


「折紙講師として他者に教える場合、完全オリジナルか、日本折紙協会がOKした作品、または伝承作品しか教えてはいけないのでしょうか?」


といった内容です。
実は、大変お恥ずかしいことに、私も手さぐりなんです。


ですが、せっかくの機会なので、かつての失敗談と私なりの見解をお話しいたします。


❶まさにぃ、折紙協会から叱られる
❷グレーが多い著作権
❸折紙協会・折紙学会の取り組み
では、どうぞ。


♦︎♦︎♦︎


❶まさにぃ、折紙協会から叱られる
年に一度の講師講習会に参加した、昨年5月のこと。


あまりにも素晴らしい内容だったので、教わった作品の折り方や理論などをまとめて、ブログに掲載しました。


すると数日後、日本折紙協会から電話があり、記事の取り下げを(ものすごく丁重に)依頼されました。


「お金を払って受けた講習」「今後同じ講習を受ける人もいる」というのがNGの理由。


そりゃ確かに!!
当時は嬉しくて記事にしちゃいましたが、今考えたら完全にネタバレです。アウトです。
本当に申し訳なかったと思います。
(当時の謝罪記事は5月31日)

masanii-origami.hatenablog.com


❷グレーが多い著作権
協会にいくつか質問をしたのですが、やはり折り紙の著作権はグレーゾーンが多いようです。


ここからはあくまでも私見ですが、ネックは「ネタバレ」「お金」「詐称」の3つ。


【ネタバレ】
◯折り図を撮影して投稿
◯テキスト通りに折る過程を投稿
テキストを買わなくても作品が折れてしまうようなコンテンツは、著作権に触れる可能性があります。
また、有料講習の内容をバラすのもNGです(前述の私です)。


【お金】
◯他人が考案した作品を折って販売
◯テキストの内容をそのまま教えて、講師料を取る
作者や出版社の承諾があればOK。
団体ごとにルールを設けているケースもあります(後述)。


【詐称】
◯他人の作品を「自分が考案した」と偽る
◯写真や文書の無断転載
これは言うまでもなくダメですね。


最終的には、ご自身のモラルの問題かと思います。


最近ではSNSで折り図が公開されているケースも多いので、心配な場合はご本人に聞いてみましょう。
せっかく活発なネットワークがあることですし、いろいろ情報交換できるといいですね。


迷った時は、この言葉。
「コイツ、俺の作品を使って勝手に●●しとるやん!」
とならないこと。
感覚的で申し訳ないけれど、参考までに^^


❸折紙協会・折紙学会の取り組み
日本折紙協会が発行している「月刊おりがみ」には、折紙講師のサインを条件に、コピー&配布が可能な作品があります。


毎号2つですが、1年で24作品。
講師にとって、ネタ切れは死活問題。こういう取り組みはとても助かります。


日本折紙学会」の指導員資格にも、色々と優遇があるようです。
複数の作家さんの創作作品が、まるっと許可されていたりします(折り図の回収が条件)。


私は日本折紙"協会"の講師資格しか持っていないので、日本折紙"学会"の詳しいことは分かりません(いつか取りたいと思います)。
事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示ください。


♦︎♦︎♦︎


というわけで、今日は番外編として、「折り紙×アウトプット」のお話でした。


権利関係のことを考えると、SNSの発信や講師としての活動も億劫になりがちです。


でも、作家さんも出版社も、折り紙の魅力を広げたい気持ちは同じ。


折紙協会の方も「何か分からない事があったら相談してほしい」とおっしゃっていました。


作家さんも発信者も、お互い気持ちよく情報発信できればいいですね。


今度、質問項目を整理して、協会にちゃんと質問してみようかな。