まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

あきとくんの手裏剣と、「紙の厚み」についてのコラム 〜折り紙は、ピッタリ過ぎてもNG?〜

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今日は、あきとくん(小1)が作ってくれた手裏剣をご紹介。


この作品は以前、講座メンバーのたけるくんが教えてくれました。
(8月27日の記事をご覧ください)

簡単にできる、折り紙4枚の手裏剣をどうぞ。 - まさにぃの折り紙コラム

普通の手裏剣よりも簡単で組みやすいので、あきとくんもすぐに覚えられたようです。


銀河の絵柄と、カラーホイル紙のギラギラ感がカッコいいですね。戦隊ヒーローの特殊武器みたい。


折り方はこちら。

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とても簡単なので、初心者にもオススメです。


さて。
今日のテーマは、「紙の厚み」。
テキストには載っていないけれど、必ずついて回るこの問題について、ちょっと考えてみました。


❶ピッタリ過ぎると、逆にマイナス。
❷あえて少なく折る。
❸思いついたら、何でも試そう。
では、どうぞ。


♦︎♦︎♦︎


❶ピッタリ過ぎると、逆にマイナス。
紙の厚みによって、どれほど誤差が出るのか。
実際にやってみましょう。


今回の作品は、カドを尖らせる動作を除くと、


・中心線に両端を合わせて折る。
・さらに両端を、再び中心線に合せておる。
・中心線を使って、半分に折る
という3ステップ。


最初の段階でピッタリ中心線に合わせ過ぎると、次に折るときに両端が中心に引き寄せられ、重なってしまいます。


最後は、そこを重なったまま折らなくてはいけません。
紙はシワクチャになってしまいます。


これがいわゆる「厚みの誤差」。
ハンカチやタオルを折ると、必ず内側の端がはみ出ますよね。
アレと同じ現象です。


❷あえて少なく折る。
この問題は、あらかじめ少なめに折ると解決します。


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①まず、左右で1mmずつ少なく折りましょう。
②重ねたままもう一度折るシーンでは、下側の紙が浮かないよう、あらかじめ折っておきましょう。
③両端を中心に折る。
④左右1mm(計2mm)ずつあったスキマが、半分の0.5mm(計1mm)になっています。


最後に、まとめて半分に折ればOK。
びっくりするほど、ピッタリ折れるはずです。


最初に空けた「左右1mm」が、誤差を相殺してくれたんですね。


❸思いついたら、何でも試そう。
以上のように、「あえてずらす」という動作が、今回のキモです。


テキストに載っていない工夫をすることで、作品のクオリティが上がる場合もあるんですね。


もちろん。テキストどおりに折るのは基本中の基本。


そのうえで、ちょっと視野を広げて、柔軟に考えてみましょう。


今回の方法に限らず、思わぬ発見があるかもしれません。


♦︎♦︎♦︎


というわけで、今回のテーマは「厚みの誤差の相殺」でした。


もちろん、誤差の度合いは紙によって異なります。
失敗を恐れず、色々試してみてください。


みなさんは、普段どんな工夫をしていますか?

 

<素材紹介>

キラキラ輝く、ホイル折紙をどうぞ。

普通の紙より難度は上がりますが、完成品の綺麗さはホレボレします。