先日、3人の方が川崎ローズに挑戦しました。講師は、小学5年生のちなちゃん。
3人とも折り紙初心者だったこともあり、かなーり苦戦していました。
終盤は完全にギブアップ状態だったようですが、彼女の全力サポートもあり、無事にみんなで集合写真を撮ることができました。
みんなが15cmの紙で四苦八苦するなか、11.7cmのお手本をパキパキ作るちなちゃん。
おまけに、YouTubeで見つけたというバッグとキャンディボックスも添えて。
また、彼女のファンが増えそうです。
さて、今日のコラムは「教えること」。
折紙講師まさにぃが、日ごろ考えていることを語ります。
❶折り紙を教える難しさ
❷それでも折りたいと言われたら。
❸まさにぃの7段階分析
では、どうぞ。
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❶折り紙を教える難しさ
人に教えるのって、自分でやるより何倍も難しいですよね。
今回のバラは、折り手のスキルの差が出やすい典型例です。
題材があまりに難しいと、教える方も教わる方も、とても気をつかいます。
自分1人でやれるんだけど、全ての動作を説明するのは大変ですから。
お互い「何でできないんだー!!」とイライラしてしまうことも。
それでも毎回根気よく教えてくれるちなちゃんには、本当に感心させられます。
❷それでも折りたいと言われたら。
「ちょっと厳しいかな…」と思っても、「どうしても折りたい!」「頑張ります!」と言われる事があります。
小学生くらいのお子さんはもちろん、年配の方も結構いらっしゃいます。
せっかく折り紙に興味を持ってもらったのに、「キミには無理だよ」なんて言ったら、非常に申し訳ないですよね。
どうしても…という時は、要所はキッチリ折ってあげて、プレスだけしてもらうのが良いと思います。
「私の手で作れた!」と満足してもらえるし、もしかしたら「もっと上手くなりたい」と思ってくれるかもしれません。
❸まさにぃの7段階分析
私は人に教える際、その人のレベルを見ながら、次のようなパターンを想定します。
❶プレスだけしてもらう
❷動作の途中までやってあげて、たたむ直前から触れてもらう。あとは1人で。
❸動作を全部やってあげた後に工程をもどし、同じ動作を繰り返してもらう
❹2人で同じものを作りながら、見よう見まねで進める
❺アドバイスは口だけ、詰まったら手伝う
❻詰まったら口頭でアドバイスする。相手の作品には触れない
❼何も手伝わない
という感じ。
同じ人でも、段階によってパターンを変えた方がいい時もあります。
手を出し過ぎて退屈されないか、はたまた負荷をかけすぎていないか考えながら、常に気をつけています。
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人に教えるということは、自分の動作を分析し、言語化し、人に伝えること。
簡単なことではありませんが、この作業は予想以上にスキルアップに繋がります。
そして何より、自分が教えたことがきっかけで、折り紙を好きになってくれる。
こんなに嬉しい事は、他にありません。
そういえば。
ちなちゃんがバラを教えたのは、これで何人目だろう。
これから一体、何人の弟子ができるのだろうか…
<テキスト紹介>
川崎敏和「折り紙夢WORLD」
バラの出典はこちら。今回の作品のほか、応用作品「ひらいたバラ」もあります。
花だけでなく、「巻き貝」「スペースシャトル」など、バリエーションも豊富な一冊です。