小松英夫「パピヨン」
職場の同僚が飼っているパピヨンが、とってもかわいかったので。
この作品は、ほとんどの部分が裏の白色。
ちょっと勿体ない気もしますが、作品のリアリティを出すためには、ここまで思い切った発想も必要なんですね。
使用した紙は、25cm×25cm。ちょっと大きめですが、文房具屋でも普通に手に入ります。
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さて。
私は、難しそうな作品にチャレンジする際、よく試作品を作ります。
使うのはたいてい、無地の折り紙。時には、推奨サイズより大きめの紙を使うことも。
今回のパピヨンも、30cm×30cmで試作品を作りました(下の写真)。
本番の前に試作品を作るというのは、メリットが色々あります。今日は、3つに分けてお話しいたしましょう。
❶思いっきり失敗できる
❷相性バッチリな素材を選べる
❸【上級編】紙の酷使レベルを予測!
では、どうぞ。
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❶思いっきり失敗できる
これは、言うまでもないですね。
本番と違い、試作品はいくらでも失敗が許されます。
折り目を間違えても、紙が破れても大丈夫。
紙の限界を試すために、わざと紙を酷使したりもします。
ぐちゃぐちゃに…とまでは言いませんが、せっかくなので、色々なテクニックを試してみましょう。
❷相性バッチリな素材を選べる
テキストに載っている作品は、実際に折ってみると、雰囲気が想像と違うことがよくあります。
美しい作品を折るためには、どんな紙を使えばいいか。それを考えるのは、実物を見ながら考えるのが一番です。
・洋紙か和紙か
・無地か絵柄か
・15cmでいけるか、大きい方がいいか
などなど。
「これだ!」という紙に出会えたら、満を持して本番を折ってみましょう。
❸【上級編】紙の酷使レベルを予測!
テキストを読み進めていくうちに、
「ここは、強く折っていいのか?」
「軽めに折って、紙をいたわるべきか?」
と、迷うことがあります。
一つの箇所をたくさん折る場合、最初のプレスを強くしてしまうと、紙へのダメージが後半に響いてきます。染料がはげたり、最悪、破れてしまうことも。
しかし、あまり軽く折り過ぎると、紙が何枚も重なった時は邪魔ですよね。後からプレスし直すのも面倒くさい。
◯完成まであまり手を加えない(=もう紙を酷使する必要がない)箇所は、全力プレス。
◯これからたくさん折っていく(紙を酷使する)箇所は、優しくプレス。
慣れてくると、こういった細かい予測が、試作品を通してできるようになります。
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ということで、試作品を作るメリットを3つ挙げました。
しかし、決定的なデメリットもあります。
それは、
倍の時間がかかる。
時間に余裕があれば、問題ありません。しかし、無理に「試作品から始めるべきだ」と身構えると、面白くなくなってしまいます。
時間があるときは、試作品から入念に。
そうでないときは、サクッと一発チャレンジ。
うまく頭を切り替えながら、気軽に折り紙を楽しめるといいですね。
<テキスト紹介>
山口真「端正な折り紙」
パピヨンの出典はこちら。以前投稿した「富士山」や「マンモス」など、ユニークな作品が盛りだくさん。
兄弟作「秀麗な折り紙」もオススメ。