まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

あじさい折りで、絵柄の変化を楽しもう。 〜いっくんのピラミッドが魅せる、折り紙の可能性〜

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いっくん作「斜め折り四段ピラミッド」


前回の講座で「この絵柄で折ってごらん」と紙をあげたところ、本当に折ってきてくれました。


以前、私も同じ紙でピラミッドを作ったことがあるのですが、この絵柄ってめちゃめちゃ難しいんですよね。
(詳しくは、4月6日のコラムをご覧ください)

派手な絵柄との共存を果たした「斜め折り四段ピラミッド」 - まさにぃの折り紙コラム


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さて、今日のコラムを始める前に、彼について簡単に紹介いたしましょう。最近読み始めた方は、参考にどうぞ。


いっくんは、昨年の秋頃に私と出会い、折り紙を始めた男の子。


あじさい折りを覚えからメキメキと実力を伸ばし、今ではピラミッドを暗記するほどの腕前に。


講座の常連として、さらには初心者をサポートする先生としても活躍中の、小学5年生です。


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では、コラムをどうぞ。今日は「絵柄」に関するお話と、今回の作品の解説をいたしましょう。


❶絵柄の変化を楽しもう
❷新しい発見をしよう
❸今回の作品の難所は?
では、どうぞ。


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❶絵柄の変化を楽しもう
あじさい折りが面白いのは、絵柄によって印象がガラリと変わるところ。


あまりに派手な模様だと、一番の魅力である「折り目の印影」がつぶれてしまいますが、相性がピッタリだった場合は、単色よりずっと綺麗な模様を生み出すことができます。


個人的に好きなのは、「コロナハーモニー」と呼ばれるグラデーション紙。段折り構造によって、隣同士の色が、クッキリ異なるように見えるんですよね。一枚とは思えない、美しい模様が生まれます。


なお、グラデーションとあじさい折りの相性については、4月30日のコラムでも詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。

ピラミッドから井桁を作る「まさにいメソッド」を、グラデーション紙で実践。併せて、グラデーション紙が向いてる作品もご紹介。 - まさにぃの折り紙コラム


❷新しい発見をしよう
派手な絵柄でもイケる良い例が、今回いっくんが使った絵柄です。


もともとは、同心円が基本的に並んだ構造をしています。これがまた、面白いんですよね。作ってみると、じゅうたんのような美しい模様が現れます。


絵柄がもたらす変化というのは、折ってみないと分かりません。「あ、やっぱり似合わないな」と失敗することもあれば、「おお、意外にイケる!!」と予想外に綺麗な作品ができたりします。


新しい発見をしたときの快感って、クセになりますよね。食わず嫌いにならず、どんどん新しい絵柄にチャレンジしていきましょう。


❸今回の作品の難所は?
いっくんが使った紙の難しいポイントは、ごまかしが一切きかないところ。


折り筋を仕込む段階から、「この線は同心円の何番目を通るか」「反対側との誤差はないか」らなど、いつも以上に気を配る必要があります。


もちろん、組み立ての段階でも油断は禁物。少しの妥協が終盤の誤差を呼び、完成品のクオリティを下げてしまいます。


しかし、先日いっくんが見せてくれた完成品は、4方向とも絵柄がきちんと揃い、紙の隙間もすべて均等にできていました。

お見事!


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というわけで、今回はいっくんのスキル高さを改めて感じた作品でした。


そろそろ彼は、他の作品にも興味がわいてきた様子。


ピラミッドを折れる時点で完全に小学生離れしていますが、あじさい折りの他にも、面白い作品は世の中にあふれています。


色々な作品に触れて、これからの可能性を広げていってほしいですね^^


※ちなみに、隣にある魚のホネは、私が高校生の頃、美ら海水族館で購入したカッターナイフ。10年以上愛用してます^^

 

<テキスト紹介>

あじさい折りおりがみ」

斜め折り四段ピラミッドの出典はこちらです。

全体的にハイレベルなので、基本形から順番に進めていきましょう。