まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

ピラミッドから井桁を作る【図解】

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最近SNSで「あじさい折り」が盛り上がっていますね。


4月19日に@napos.worldさんが「あじさい井桁・詰め」を投稿された際に、井桁をピラミッドから作る方法についてコメントさせていただきいただきましたので、今回はその具体的な手順をご紹介します。


手順の作り方は、@taichi_roseさんが、創作された作品を上手に図解していたのを参考にさせていただきました。この方の作品は、毎回クオリティが高すぎて言葉が出ません。完成度の高さとオリジナリティに驚かされるばかりです。(勝手に尊敬しています)。


今回の解説は、プロジェクトF「あじさい折りおりがみ」の「斜め折り四段ピラミッド」を折れる前提で作りましたので、ご承知おきください。

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実践した方はご存知と思いますが、ピラミッドは正方形を一段ずつ均等に積み重ねて作ります。


以前、カドを変える練習として、「斜め折り四段ピラミッド」の裏のカドを片っ端から変えて遊んだことがありました。


その時は表側を碁盤目にすることが目標でしたが、それを達成したあとに裏側を見ると「井桁」になっないるではありませんか。


ピラミッドの裏側にあるヒダは、全て外側を向いています。カドを変えることよってヒダの向きが変わり、全てのヒダが「基本形A」と同じ配置になったんですね。


そういえば、テキストの井桁を見ると、裏側が碁盤目です。つまり、ピラミッドのカドを変えていくだけでも井桁は作れるのです。


この作り方のメリットは、花びらを一つ一つ完成させながら作れることです。プレイヤーの感覚にもよりますが、これは正規の方法で井桁を作るより簡単なんじゃないでしょうか。


複数の合わせ折りを同時にキメるのは、予想以上に繊細な作業です。そもそも合わせ折りは、クモの巣のような山折り・谷折りのラインを一気にまとめ上げる複雑なテクニックです。花びらが中心に収束するまで、両手の人差し指・親指は離せません。


合わせ折りを2つ以上同時にやるには、片方を完結させてからもう片方、というわけにはいきません。合わせ折りは紙の全体構造を変えてしまうので、片方を仕上げると、もう片方は平たい紙ではありません。というわけで、複数の花びらは少しずつ、均等に作っていく必要があります。まるで急須のお茶を注ぐような作業です。


しかも、やっている途中に紙が戻る。一通り手をつけると、最初の花びらは半分くらい元に戻っています。これが井桁の工程を苦行たらしめる要因です。


紙の戻りを最小限にするには、折り筋を強くすれば良いのですが、紙の強度が落ちます。@napos.worldさんの表現をお借りすると、終盤に「紙が力尽きる」のです(←上手い表現ですね)。


そこは技術でカバーしたいところですが、なかなか理想通りにはいきませんね。しかし、発想の転換や工夫で、意外と何とかなるものです。皆さんも色々と遊びながら、新たなアイディアを発掘していきましょう。もちろん、たくさんの失敗作(ゴミ)を量産するのも立派な研究です。


難しい作品にパワープレーでぶつかるのも面白いですが、折り紙をより楽しむために、柔軟に向き合う姿勢は常に持っていたいですね。