まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

シャツを折りながら「紙柄と題材の向き・不向き」について考えました。

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先日いただいた日本酒の包みが千代紙だったので、シャツを折りました。アロハシャツみたい。

 

シャツはどんな紙でも大体良い感じに仕上がるので気に入っています。どんな大きさでもどんな柄でもイケます。さらに長方形でも折れる。襟と袖が白くなるのも良いですね。

 

さて、今回は、

「紙柄と題材の向き・不向き」について。

 

千代紙や包装紙などの綺麗な絵柄を使うときは、題材との相性を考える必要があります。

 

以前、千代紙で花折りピラミッドを折ったことがあるのですが、規則的な紙の重なりが絵柄でぼやけてしまい、ピラミッドの模様が見づらくなってしまいました。

 

あじさい折りは、紙の重なりで陰影を出し、自ら模様を構成しています。陰影が絵柄に負けてしまうので、あまりに大胆な絵柄は避けた方がいいでしょう(裏面の白色を使う「花壇」や「蝶の群れ」などはアリ)。

 

また、体の細部まで折る複雑系も同様で、せっかく作った細かいパーツが判別できなくなってしまいます。

 

では、絵柄がついた紙は、どんな題材が向いているのか。それは「面」を意識すると良いでしょう。完成品を見て、平らな面が多いもの。

 

写真のシャツのようにシンプルなものは、絵柄を最大限に活かすことができます。和柄、チェック柄、キャラクター、何でもアリです。

 

それと、典型的なのが「折り鶴」。

まともに首や尾の繊細なパーツと、羽根や胴の広い面のバランスが良い。

 

あとは、概ねシンプルな作品ならOKです。箱やくす玉などのユニット折り紙も綺麗。経験上、複雑な作品になればなるほど、絵柄は向かない気がします。

 

絵柄で魅せる折り紙は、紙の模様を活かすことに重きをおきます。つまり、どこまでいっても「紙」なんです。一方で、複雑系は「紙」の常識を打ち破る、紙とは思えない、という驚きを与えてくれます。両者の違いは、作品の目指す方向性です。

 

…と色々書きましたが、あくまでも持論なので、折る前に決めつけずに、色々やってみましょう。思わぬ発見があるかもしれません。

 

また、例外もたくさんあります。まず、グラデーションの絵柄。これは、あじさい折りとの相性は抜群です。また、折ってみると意外に題材との相性が良い絵柄もたくさんあります。あとはもちろん、自分が綺麗だと思ったら良いんです。誰にも文句を言う筋合いはありません。

まずは自分の手で片っ端から折ってみて、トライ&エラーしてみましょう。