まさにぃの折り紙コラム

折紙師範まさにぃのブログ。

道具に頼るのは恥ずかしくない。適切に使うべし。

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ふたたびユニットの箱。
Tさんはテキストのほとんどをマスターする勢いで、様々なパターンの箱を作り上げていきます。

 

写真にある風車みたいなものは、六角家のフレームにはめ込む飾りです。らせん状に折るのが難解で苦戦していましたが、自力で(しかも片手で)完成させることができました。

 

そんなTさんは、紙を両手で押さえる代わりに、あるものを使います。

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それは…

ちょきんぎょクリップ!

かわいい。
片手で折っても紙がバラバラになりません。

 


ということで、

今回は「道具」についてのコラム。

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「指だけで折るのがカッコいい」なんていう人がいますが、私は違います。道具は使ったもの勝ちです。綺麗な作品ができれば良いんです。

ご存知の方もいると思いますが、私は爪楊枝を多用します。私の爪楊枝愛は「爪楊枝は体の一部。 - まさにぃの折り紙コラム」でも述べていますが、それとは別に二つの理由があります。

 

①どこにでもある。
面倒くさがりな私は、折り紙をする際の道具を携帯するのが嫌いです。教育折り紙を使う時も、そのへんの紙(箸袋とか)を使う時も、爪楊枝やペンなど身近なものを使っています。

 

②皆のハードルが下がる
講師の私が変な道具を使っていると、「複雑な作品は特別な道具を使わないと折れない」と思われてしまいます。そうならないために、人に教える際は、指で折れる所も、あえて道具を使う事があります。「道具に頼るのは恥ずかしくない」と思ってほしいからです。さらに身近な道具を使うと、よりハードルが下がります。私は折り紙が高尚な趣味だと思われたくありません。色んな人に色んな作品を、気軽に折ってほしいのです。

 

指だけで折れるのが上級者なのではなく、適切なタイミングで躊躇なく道具に頼れるのが上級者なのではないでしょうか。完成した作品のクオリティは一目瞭然です。

 

ちなみに先日紹介した館長は、三角定規を使っています。それだけでなく、爪楊枝や竹ひごを改造して専用ツールにするというこだわりっぷり。

「広く浅く」と言ったのは誰でしょうか…


出典:NHK出版「ユニット折り紙でつくる おしゃれな小物たち」/布施知子